緊急対応特殊課

緊急対応特殊部隊（SOBR）について

緊急対応特殊部隊（СОБР、Special Rapid Response Unit）は、ロシア連邦国家親衛隊に所属する特殊部隊です。その主な任務は、武装犯罪集団の活動の予防と阻止、そして不法に保管されている武器、弾薬、爆発物、麻薬の押収と拡散防止です。

SOBRの特徴

SOBRは、もともとロシア内務省の組織犯罪対策部門に設置されていました。4個の戦闘分隊で構成され、総員は70名を超えません。公安民警に属する特別任務民警支隊（OMON）とは異なり、SOBRは将校と准尉のみで構成されており、一般的にOMONよりも高い能力を持つとされています。

歴史

ソ連崩壊からロシア連邦初期にかけて、社会の混乱に乗じて組織犯罪、いわゆるロシアン・マフィアが台頭しました。彼らは軍からの横流しや闇市場で入手した武器で武装していました。このような状況に対処するため、1992年初めにロシア内務省捜査局が改編され、捜査の戦力支援を目的とした戦術作戦課が創設されました。

同年10月8日、「市民の擁護、法秩序の警備及び犯罪対策の強化に関する措置に関する」大統領令に基づき、組織犯罪対策総局内に緊急対応特殊課が正式に設置されました。1993年1月には、組織犯罪総局及び地方部署の機構と定員が規定され、SOBRの地位が確立されました。

2016年には、SOBRは国家親衛隊に移管され、現在に至っています。

装備

SOBRの装備は、OMONよりも特殊な作戦に対応できるように設計されています。予算が潤沢な自治州のSOBRでは、AK74などの銃器に外国製のカスタムパーツを装着したり、グロック17（およびカービンキット）やM4カービンを保有しています。

基本的な制服の色は黒ですが、任務によっては迷彩服を着用します。特にチェチェン共和国のSOBRは、マルチカム迷彩服を主に着用しています。

主な活動

SOBRは、数多くの人質救出作戦やテロ対策作戦に参加しています。以下はその主な活動の一部です。

1993年12月：ロストフ・ナ・ドヌでテロリストに拉致された子供たちの解放
1994年7月：ミネラールヌイ・ヴォドゥイ市での人質解放
1994年12月：マハチカラ市での人質解放
1995年7月：ブデノフスクでの人質解放
1996年1月：ペルヴォマイスキー村での人質解放

これらの活動を通じて、SOBRは高い専門性と作戦遂行能力を示しています。

関連項目

SOBRに関連する項目として、以下のものが挙げられます。

人質救出作戦
人質救出チーム
SWAT
レンジャー（日本の警察）
銃器対策部隊
機動隊
特殊急襲部隊
* 特殊事件捜査係

SOBRは、ロシアにおける治安維持に不可欠な存在であり、今後もその活動が注目されます。

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