緊急用医療ホログラム

緊急用医療ホログラム（EMH）

緊急用医療ホログラム（EMH）は、『スタートレック』シリーズにおける架空の医療システムで、このシステムは主に宇宙艦隊の艦艇上で使用されます。EMHは、光子と重力子場を利用して作られる三次元のホログラム技術に基づいており、実際に医療行為を行うための高度な知識を持つ人型ドクターとして描かれています。

開発と運用

EMHは、宇宙艦隊の技術部門の権威であるルイス・ジマーマン博士が主導し、エンジニアのレジナルド・バークレー中尉が参加して開発されました。彼らは木星ステーションのホログラム研究所でこのシステムを作り上げ、最初のバージョンであるMark1が誕生しました。ホロマトリックスには医療に必要な診断プロトコルや触覚サブルーチン、500万を超える医療技術が圧縮されて格納されていますが、この膨大なデータ量が技術的な課題であり、高度な専門知識が求められる制作作業となりました。

Mark1の外見はジマーマン博士自身をモデルにしており、シリーズの中では後のバージョンであるMark4までの開発が言及されています。これらの異なるバージョンには外見上の差異があり、特にMark1はその頑固で偏屈な性格から、患者に優しさを示すことが難しいという特徴があります。ただし、学習機能があるため、使用を重ねることで少しずつ改善される余地もあります。

特徴

EMHは、緊急時に瞬時に起動できるため、医療現場で重要な役割を果たします。起動時には、「緊急医療ホログラム、起動」とのコマンドで現れ、状況に応じた対応を行います。また、万能翻訳プログラムを内蔵しているため、通訳としての役割も果たします。

EMHは数多くの宇宙艦艇に搭載されています。例えば、U.S.S.ヴォイジャーでは、「ドクター」と呼ばれ、主要なキャラクターとしてストーリーに深く関わります。また、U.S.S.プロメテウスに搭載されたMark2は、他のホログラムと協力し、緊急の医療支援を提供するシーンにも登場します。U.S.S.エンタープライズEでは緊急事態の中で起動し、クルーを助けるために重要な役割を果たします。

さらに、U.S.S.イクワノックスやU.S.S.キトマーなど、さまざまな艦艇でもEMHが利用されており、状況に応じた役割や機能を持つことが描かれています。特に『Star Trek Online』に登場するU.S.S.キトマーのEMHは、医療知識に加えて戦術に関する情報も持っているとのことで、進化した存在として位置付けられています。

結論

このように、緊急用医療ホログラムは、宇宙艦隊技術の一環として、さまざまな医療支援や状況判断を行うための高度なシステムとして描かれています。EMHのキャラクターは独自の性格やエピソードを持ち、シリーズを通じて多くのファンに愛されてきました。

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