総代

総代（そうだい）とは

総代とは、何らかの団体・集団において、構成員全体の代表または代理となる者のことを指します。例えば「卒業生総代」のように用いられ、総員代表を略した言葉です。ここでは、様々な分野における総代の意味と役割について解説します。

卒業式における総代

卒業式における総代は、卒業生を代表して卒業証書を受け取る児童・生徒・学生のことです。通常は成績優秀者が選ばれますが、必ずしもそうとは限りません。

宗教団体における総代

宗教団体における総代は、神社、寺院、教会などの檀家・信者を代表する者のことです。神社の場合は「氏子総代」、寺院の場合は「檀信徒総代」と呼ばれます。

総代は、主に宗教法人の運営における「俗」的な側面に関わり、総代の中から責任役員や干与者が選任されることが多いです。宗教法人法には責任役員に関する規定はありますが、総代に関する規定はありません。これは、思想・信条の自由や政教分離の観点から、宗教団体の運営に行政が関与することが憲法上禁止されているためです。総代に関する規定は、各宗教法人または包括宗教法人が独自に定めています。

氏子総代

神社本庁の庁規によると、氏子総代は神社の祭礼において神職に協力し、氏子や崇敬者の世話をします。氏子・崇敬者の中から「徳望が篤い人物」が宮司によって選任され（実際には責任役員が決めることが多い）、通常は複数名が選ばれます。かつての制度では、県社以下の神社は氏子数に応じて3名以上の氏子総代を選出する必要があり、神社が提出する書類に連署するなど、神社の維持活動を行う義務がありました。現在の制度でも、宗教法人の責任役員は総代によって組織される総代会が選考します。

武術における総代

武術、特に合気道や空手道などの日本武術においては、流派または道場の責任者という意味を持ちます。幹部の任命や昇段の可否など、あらゆる事項において絶対的な権限を有することが多いです。幹部は実力者が選ばれるのに対し、総代は開祖の血縁者が継承することがほとんどです。

生活協同組合における総代

生活協同組合（生協）では、年に1回開催される事業・活動方針・予算を決める会議を「総代会」と呼びます。組合員の代表として総代会に出席し、直接発言できる者を「総代」と呼び、通常は複数名が選ばれます。

関連項目

総代会

参考文献

『寺院経営の基礎知識』（雨宮眞也著、2012年、曹洞宗宗務庁）

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