総則

総則とは

総則（そうそく）とは、全体に共通して適用される、一般的かつ包括的な規定を指します。法律や規約など、様々な分野で用いられる概念ですが、特に法典において重要な役割を果たします。法典は、様々な規定を体系的にまとめたものですが、その中でも総則は、法典全体の基本原則や共通ルールを定めるものです。

具体的には、法典の冒頭部分に置かれることが多く、法典全体に共通して適用される事項が規定されます。例えば、民法であれば、権利能力や行為能力など、民法全体の基礎となる事項が総則で定められます。また、各編・章・款の冒頭にも総則が置かれることがあり、その編や章・款全体に共通する事項が規定されます。

総則に続いて、個別の事項を具体的に定めた規定を各則といいます。各則は、総則で定められた原則に基づいて、具体的なケースや個別のルールを定めます。総則と各則は、法律や規約を構成する上で、不可欠な要素であり、両者が組み合わさることで、法体系全体が構成されます。

通則との違い

総則と似た言葉として、通則というものがあります。通則も総則と同様に、一般的・包括的な事項を定めるものですが、その適用範囲が異なります。

総則は、主に法典全体や編・章・款など、比較的広い範囲を対象として定められるのに対し、通則は、より狭い範囲を対象として定められることがあります。例えば、特定の分野や特定の制度にのみ適用されるルールを定める場合に、「通則」という言葉が使われることがあります。

また、「総則」は、専ら法令中で使われる語であるのに対し、「通則」は、法令の標題として使われることがあるという点も違いの一つです。例えば、「法の適用に関する通則法」という法律がありますが、これは「通則」という言葉が法令の標題に使われている例です。

ただし、語義自体は「総則」も「通則」もほぼ同じであり、両者の間には明確な区別があるわけではありません。どちらの言葉を使うかは、それぞれの法令や規約の文脈によって異なります。

総則の例

総則は、様々な分野の法令や規約に見られますが、代表的な例としては、以下のものがあげられます。

民法総則: 民法典の冒頭に置かれ、権利能力、行為能力、意思表示、代理など、民法全体の基礎となる事項を定めています。
商法総則: 商法典の冒頭に置かれ、商人、商業登記、商号など、商法全体の基礎となる事項を定めています。

関連用語

パンデクテン方式: ローマ法に由来する民法典の編纂方式で、総則、物権、債権、親族、相続という体系で構成されるのが特徴です。
法の適用に関する通則法: 法の適用に関する原則を定める法律で、国際私法の分野で重要な役割を果たしています。

総則は、法律や規約を理解する上で、非常に重要な概念です。総則を理解することで、法律や規約全体の構造や基本的なルールを把握することができ、より深く法律や規約を理解することができます。

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