総務長官 (英連邦)

総務長官について

総務長官（Chief Secretary）は、英連邦諸国とその植民地において非常に重要な役割を果たしてきた高官です。この職位は、総督に次ぐ地位を有し、昔は植民地長官（Colonial Secretary）として知られていました。歴史的には、香港の布政司やシンガポールの植民長官などがその代表的な例です。

歴史的背景

総務長官は、植民地時代の初期においては、総督の主要な補佐役として機能し、専制君主制国家における宰相のような役割を持っていました。植民地が責任政府を導入した後も、彼らは大臣や庁長などの役割を担う一方で、総督と政府間の機能的な調整を行うという重要な任務を持っていました。また、いくつかの地域では政府印璽の管理も行っていました。

20世紀半ばに入ると、植民地という用語自体が避けられるようになり、植民地長官は次第に総務長官へと名称を変更していきました。例えば、オーストラリアのニューサウスウェールズ州では1959年にこの改名が行われました。

現代における変化

近年、多くの旧植民地が独立や政体の変化を経験し、この地位は現代的な官職に取って代わられました。その一例として、香港での布政司は、1997年の返還後に「政務司司長（Chief Secretary for Administration）」に改名されました。

中国語での表現

「布政司」という名称は、古代中国における承宣布政使司に由来し、明の初期に設置された民政機関を指します。この由来は、今日の総務長官の役割においても、歴史的なつながりを示しています。

現存する総務長官の役割

現代においても、インドやパキスタン、スリランカの州や連邦直轄領には総務長官が存在し、これらの地域の最高位の行政官として機能しています。また、マレーシアの「Ketua Setiausaha Negara」は公務員の最高地位にあたり、内閣や首相官邸での役割も持っています。さらに、マン島ではChief Ministerが内閣評議会の首席を務めています。

このように、総務長官は時代を経ても多様な役割を果たし続ける重要な官職であり、112年以上の歴史を持っています。

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