総合せき損センター

総合せき損センター

独立行政法人労働者健康安全機構が運営する総合せき損センターは、福岡県飯塚市伊岐須550-4に所在する、脊髄損傷に対する高度専門医療機関です。ここでは、脊髄を損傷された方々に対し、受傷直後の救急・急性期治療から、回復期における集中的なリハビリテーション、そして最終的な社会への復帰に至るまで、切れ目のない一貫した医療サービスを提供することをその使命としています。

施設概要と沿革

当センターは、1979年6月1日に開設されました。以来、長年にわたり脊髄損傷医療の分野で重要な役割を果たしています。施設は150床の病床を有し、専門的な知見と経験を持つ医療スタッフが集結しています。

提供される医療とリハビリテーション

脊髄損傷の治療は多岐にわたるため、当センターでは複数の診療科が連携して医療を提供しています。主な診療科としては、入院患者を対象とする内科、損傷部位のケアや手術などを行う整形外科、排泄管理等に関わる泌尿器科、そして何よりも重要な機能回復を支援するリハビリテーション科があります。

特にリハビリテーション科は、脊髄損傷患者さんの自立度向上と社会復帰に向けた機能回復訓練において、中心的役割を担っています。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、多職種のリハビリテーション専門家が、患者さんの状態や目標に応じた個別プログラムを作成し、集中的なリハビリテーションを実施しています。

アクセスとバリアフリーへの配慮

公共交通機関を利用して当センターを訪問する場合、JR新飯塚駅から西鉄バスで飯塚バスターミナルへ向かい、そこで福祉センター・花瀬団地行きのバスに乗り換えて「せき損センター」バス停で下車する方法があります。

特に注目すべきは、2008年4月1日に西鉄バスが当センターの構内に乗り入れを開始したことです。この乗り入れ開始以前は、最寄りのバス停からセンターまで約5分間の徒歩移動が必要でしたが、その道のりには坂道があり、特に車いすをご利用の患者さんにとっては大きな負担となっていました。このため、公共交通機関の利用を敬遠し、タクシーや自家用車で通院される方が少なくありませんでした。遠方からの通院患者さんなどからバスの構内乗り入れを望む声が寄せられており、この要望に応える形で実現しました。構内乗り入れにより、バスでのアクセスが格段に向上し、患者さんの負担軽減に大きく貢献しています。

飯塚バスターミナルから当センターへ向かうバスには、車いすでの乗降を支援するスロープが装備された車両が運行されており、車いすをご利用の方も安心して利用できるよう配慮されています。ただし、新飯塚駅から飯塚バスターミナルまでの区間を運行するバスには、スロープ非装備の車両も含まれている場合がありますので、ご利用の際はご注意ください。

総合せき損センターは、脊髄損傷医療における長年の経験と専門性を活かし、患者さんのQOL（生活の質）向上と社会復帰を全力で支援し続けています。

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