緑と風と翼

緑と風と翼

『緑と風と翼』（みどりとかぜとつばさ）は、東京都世田谷区の公式な区歌です。この歌は1981年に制定され、世田谷区民の心を一つにする役割を果たしています。作詞は川口いせ子、補作は喜多條忠、作曲は小林亜星の手によるもので、地域の人々が思いを込めた作品となっています。

世田谷区では、1972年に子供向けの歌「ぼくらのせたがや」が制作されましたが、正式な区の歌は存在しませんでした。このため、1981年に開催予定の第4回ふるさと区民まつりに合わせて、新たに区歌を作ることが決定されました。

区歌の制作にあたっては、歌詞を一般から公募し、その中から選ばれた作品が基になっています。その後、詩人の喜多條忠が補作し、優れた音楽を持つ小林亜星に作曲を依頼したのです。このような地域の協力により、歌が誕生しました。

曲が完成し、1981年8月1日にはふるさと区民まつりにて初めてチェリッシュによって演奏されました。来場者には、ビクター音楽産業で製造されたシングル盤のレコードが抽選で配布されました。A面には「緑と風と翼」が、B面には「がんばれ元気な世田谷っ子！」という応援歌が収録されていました。この応援歌も同様に、地域の人々の思いを込めた作品であり、作詞は西巻政彦、補作が喜多條忠、作曲は山本直純によるものです。

しかし、2001年には「21世紀せたがやのうた」としてカズンが歌う「おーい せたがや」が作成されると、区歌の演奏機会は徐々に減少しました。2012年に出版された『全国 都道府県の歌・市の歌』にも『緑と風と翼』は収録されていませんが、世田谷区の区勢要覧にはこの歌を含む3曲が紹介されています。

現在、世田谷区の公式サイトでは「緑と風と翼」の歌詞と楽譜が公開されていますが、音源は提供されていません。音源が必要な場合は、区役所の広報公聴課で貸し出し用のカセットテープが取り扱われています。21世紀に入ってからの活用例の一つとしては、2020年に区のYouTubeチャンネルで公開された「ちょこっと体操」のBGMとして『緑と風と翼』が使用されました。

このように、『緑と風と翼』は世田谷区の文化と地域コミュニティの象徴的な歌として、今でも多くの人々に親しまれています。区民の絆を育む重要な要素となっているこの歌が、今後も世田谷区の四季折々のイベントや活動において活用され続けることを期待しています。

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