緑の地平線〜ホライゾン

アルバム『緑の地平線〜ホライゾン』について

『緑の地平線〜ホライゾン』は、1975年にカーペンターズが発表したスタジオ・アルバムであり、同グループにとって6作目となります。本アルバムは、カーペンターズの音楽スタイルをより進化させる重要な作品であり、特に24トラックのマルチトラックレコーダーでの初録音という技術的な革新が注目されます。

収録曲と特徴

本アルバムには、他のアーティストの名曲をカバーしたトラックが多く収められています。特に「愛は虹の色 (デスペラード)」はイーグルスの名曲であり、日本では「ならず者」というタイトルでも知られています。他にも、マーヴェレッツの「プリーズ・ミスター・ポストマン」や、ニール・セダカの「ソリテアー」など、著名な楽曲が収録されており、これらのカバーはカーペンターズの独自の解釈とハーモニーをもたらしました。

シングルヒット

本アルバムからは、「プリーズ・ミスター・ポストマン」がBillboard Hot 100で1位を獲得。その後、「オンリー・イエスタデイ」が4位、「ソリテアー」が17位に上昇するなど、シングルとしても大きな成功を収めました。これらの楽曲は、いずれも『ビルボード』誌のイージー・リスニング・チャートでも1位を獲得し、カーペンターズの人気を示すものとなりました。

アルバムの影響力

アルバム自体は、アメリカでのチャート順位はトップ10には入らなかったものの、イギリスのアルバム・チャートでは5週にわたり1位を獲得しました。また、日本においてもオリコンで1位となり、翌年には日本の音楽シーンにも強い影響を与えました。このように、本作はカーペンターズの音楽的な魅力を広めるきっかけとなりました。

参加ミュージシャン

このアルバムでは、カーペンターズの中心メンバーであるカレン・カーペンターとリチャード・カーペンターが引き続き主要な役割を果たしました。カレンはボーカルとドラムスを担当し、リチャードはボーカルとキーボードを演奏しました。また、元デレク・アンド・ザ・ドミノスのジム・ゴードンも本作品に参加しており、ドラムスを担当しています。

アルバムには他にも、トニー・ペルーソ（ギター）、ジョー・オズボーン（ベース）、サド・マックスウェル（スティール・ギター）など、多彩なミュージシャンが参加しており、各楽曲に厚みを与えています。特に「アイ・キャン・ドリーム」にはビリー・メイによる編曲が施され、オーケストレーションが追加されています。

まとめ

『緑の地平線〜ホライゾン』は、1975年の音楽シーンにおいて、カーペンターズの魅力を余すところなく表現したアルバムです。様々なアーティストの楽曲をカバーする中で、オリジナルのエッセンスを損なうことなく、自らのスタイルに取り入れる姿勢は、聴く者に新たな発見をもたらします。このアルバムは、カーペンターズの音楽的遺産を象徴する貴重な一作です。

もう一度検索