緑木検車場

緑木検車場

大阪市高速電気軌道（Osaka Metro）が保有する車両基地の一つに、緑木検車場（みどりぎけんしゃじょう）があります。大阪府大阪市住之江区緑木一丁目に位置し、主にOsaka Metro四つ橋線の営業用車両の管理や日常的な検査を受け持っています。この施設は、四つ橋線の北加賀屋駅と入出庫線を介して接続されており、日々の運行を支える拠点となっています。

本稿では、この緑木検車場に加え、同じ敷地内に設けられている緑木車両工場についても合わせて解説します。この車両工場は、Osaka Metroにとって極めて重要な役割を担う施設です。

概要

緑木検車場は、Osaka Metro四つ橋線の車両運用を支える基盤施設です。車両は北加賀屋駅の南側にある分岐点から、専用の線路を通ってこの基地へ出入りします。

敷地内には、緑木車両工場が併設されています。この工場は、Osaka Metroが運行する第三軌条方式を採用している全ての路線、すなわち御堂筋線、四つ橋線、中央線、谷町線、千日前線の車両を対象に、全般検査や重要部検査といった大規模な点検・修繕作業を一手に引き受けています。そのため、他の路線の車両が検査を終えた後、性能確認のために四つ橋線の線路を試運転で走行する様子が見られることがあります。また、第2改修場と呼ばれる施設では、これらの車両に対する大規模なリニューアル工事も実施されています。さらに、第三軌条方式ではない車両（堺筋線、長堀鶴見緑地線、今里筋線、ニュートラム）についても、一部の機器に関する検査業務を担うことがあります。

検車場内部には、車両の検査や整備を行うための複数の線路が設けられています。具体的には、月検査を行うための線路が2本、列車検査を行うための線路が3本、簡単な修繕に対応する随修線が2本、そして車輪の形状を整えるための車輪転削線が1本備えられています。

市電保存館

緑木検車場の敷地内には、「市電保存館」と呼ばれる施設も存在します。この保存館には、かつて大阪市内を走っていた大阪市電の貴重な車両が6両保管されています。中には、珍しい二階付きの電車や、線路に水を撒くための散水車などが含まれています。ただし、この保存館は通常、一般には公開されていません。しかし、毎年11月頃に開催される緑木検車場の一般公開イベントの際には、特別に内部を見学できる機会が設けられています。

歴史

緑木検車場は、1972年11月9日に開設されました。これは、Osaka Metro四つ橋線が玉出駅から住之江公園駅まで延伸開業したことに合わせて、四つ橋線専用の車両基地として誕生したものです。

一方、車両工場の機能については、かつては我孫子車両工場がその役割を担っていました。しかし、御堂筋線の列車編成が10両に増強されることが決まると、我孫子工場では収容能力が不足することが明らかになりました。このため、1986年に車両工場の機能がこの緑木の地に移転され、緑木車両工場が新たに開設されました。これにより、緑木は四つ橋線の車両基地としての機能に加え、Osaka Metroにおける第三軌条方式車両の主要なメンテナンス拠点としての役割も担うことになります。1987年には我孫子検車場および車両工場が廃止されたことを受け、緑木車両工場は御堂筋線の車両の全般検査も開始しました。

敷地内に市電保存館が設けられたのは1993年のことです。我孫子にあった保存車両がこの地に移され、保管されることになりました。その後、1996年には四つ橋線の編成が6両に増強されたのに伴い、検車場内の検査棟も1両分長くする改修が行われました。2013年には大規模改修を行うための第2改修場が新設され、施設の機能がさらに強化されました。2016年には、森之宮車両工場が担っていた中央線、千日前線、谷町線の車両に関する全般検査の機能も緑木車両工場に統合され、Osaka Metroの第三軌条方式車両のメンテナンス機能がこの地に集約されることとなりました。

そして、2018年4月1日に大阪市交通局が民営化され、Osaka Metroへ移行したことに伴い、緑木検車場および緑木車両工場もOsaka Metroへと正式に譲渡され、現在に至っています。

所属車両

緑木検車場には、主に四つ橋線で運用される車両が所属しています。現在、この基地を主な拠点としている営業用車両は以下の通りです。

* 23系


緑木検車場および車両工場は、Osaka Metroの安全・安定輸送を支える上で欠かせない、重要な施設の一つです。

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