緒方俊明

緒方俊明（おがた としあき）

緒方俊明は1922年4月23日に熊本県に生まれ、元プロ野球選手として特に投手として名を馳せました。彼のプロ野球キャリアは、熊本商業から早稲田大学への進学を経て始まりました。大学を卒業後、熊本クラブでの活動を経て、1947年に読売ジャイアンツに入団しましたが、プロ初期は成績が奮いませんでした。3年間でわずか6勝にとどまった彼はその後、1950年に西日本パイレーツに移籍します。

西日本パイレーツでは、新たなチャンスが待っていました。1947年からのジャイアンツ時代の悩みを振り払うかのように、彼は1950年3月10日の広島カープ戦で開幕投手を務め、セ・リーグ史上初の奪三振を記録します。また、この年は西日本パイレーツが解散に至る唯一の期間であり、緒方はその唯一の開幕投手となりました。その後も彼の活躍は続き、10月6日に行われた国鉄スワローズ戦で、プロ入り初めての本塁打を若き金田正一に浴びましたが、金田の年齢（17歳2ヶ月）はプロ野球史上最年少の記録となっています。緒方は1950年のシーズンにおいて、20勝、防御率2.98を記録し、この躍動感あふれるプレイで自らの名を轟かせました。

1951年、西日本パイレーツは西鉄クリッパーズに吸収合併され、緒方はそのまま新しい球団に参加します。そのシーズンも好成績を収め、11勝、防御率2.61でリーグ10位となりました。翌年の1952年には、彼はさらに一般的な移籍を行い、東急フライヤーズに加わりました。ここでも10勝を記録しましたが、その後は成績が徐々に落ち込み、1955年には未勝利で引退を決意しました。

引退するまでの緒方の成績は特異であり、1950年に在籍した西日本を除くと、プロ野球史上初めて15球団にて勝利を記録した投手としての業績を残しています。その後、彼のこの記録は破られておらず、未だに注目されています。

選手としての特徴

緒方俊明は、特にカーブとシュートを使い分ける技巧を持つ投手でした。シュートを得意とし、同じく投手だった川崎徳次との投球においては互角の勝負を繰り広げました。試合前のウォーミングアップでも、少ない球数で十分準備を整えるタイプであり、そのアプローチは近代の選手たちとは異なる部分もありました。また、彼は非常にタフな選手でもあり、登板翌日に200球を超えるフリーバッティングを行っても疲労を口にするようなことはありませんでした。

彼の選手としての背景やキャリアは、今も多くの人々に影響を与え続けています。熊本県出身の野球界の偉大な選手、緒方俊明の名は、これからも忘れられることはないでしょう。

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