川崎徳次

川崎徳次：プロ野球界の伝説的存在

川崎徳次（かわさき とくじ）は、1921年5月7日に生まれ、2006年4月25日に逝去した日本のプロ野球選手です。佐賀県三養基郡鳥栖町（現在の鳥栖市）出身で、投手および外野手として活躍した後、コーチや監督としても球界に多大な影響を与えました。

経歴：プロ入りまでの歩み

川崎は龍谷中学に入学し、初年の終わりに陸軍幼年学校を受験しましたが、痔疾のため不合格となりました。その後、久留米商業学校に転校し、運動大会ではエースを務める活躍を見せます。特に夏の甲子園の福岡県予選では、ベスト8に進出するなど、優れた才能を披露しました。卒業時には、早稲田大学や立教大学、阪急とセネタースから勧誘を受けましたが、久留米商業の先輩がいる満州の撫順炭鉱に就職しました。

彼は1940年第14回都市対抗野球大会に満鉄倶楽部の投手として出場し、注目を集めました。以降、南海ホークスに投手として入団し、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

現役時代の輝かしい成績

川崎は1941年に46試合に登板し、12勝の成績を残します。1942年には盲腸の手術のため一時離脱しましたが、41試合で15勝と素晴らしい成績を収めました。特に1941年の東西対抗戦においては西軍の投手として名を馳せ、球速の速さが評価されました。1942年に応召し、戦後は強制収容所での生活を強いられましたが、1946年に読売ジャイアンツに復帰し、プロの舞台に戻ります。

1947年からは投球スタイルを変え、シュートの切れ味が増し、シンカー気味の落ちる球を操りながら成功を収めました。1948年には27勝を挙げ、同年の5月29日には対中日ドラゴンズ戦でプロ野球史上初の「1球敗戦投手」の記録を打ち立てました。

1949年には19勝を挙げ、巨人の戦後初優勝に貢献。驚くべきことに、同年の大映スターズ戦では自ら3本塁打を放つという特異な試合を演じました。1950年には西鉄クリッパースに移籍し、さらなる活躍を期しましたが、肘の故障に苦しむ時期もありました。これでも1953年には最多勝利と最低防御率を獲得し、最優秀投手に選ばれるなど、その才能は衰えませんでした。

引退後の影響力

現役引退後は投手コーチや監督として球団に貢献しました。特に西鉄ライオンズの黄金時代を支え、1962年には監督を務めました。1967年からは阪神タイガースで一軍投手コーチとしても活躍しました。

さらに、選手育成にも特化し、新人選手である江夏豊のピッチング技術の基礎を作り上げました。後に開業したうどん屋も成功を収め、喫茶店経営や解説者としても活動し続けました。2006年、福岡県久留米市の病院で胆管癌により死去し、86歳の生涯を閉じました。

選手としての特徴

川崎のピッチングスタイルはテンポが速く、速球とシュート、ドロップを得意とし、後にナックルボールも取得しました。その投球は打者にとって非常にタイミングの取りづらいものだったと言われています。また、ピッチャープレートの端を踏むことでシュートを投げる傾向があり、この癖によって対戦相手には分かりやすく狙われることもありました。

結論

川崎徳次は、その実力、技術、指導力で日本のプロ野球に多大な影響を与えた選手として、永遠に記憶に残る存在です。彼の行った功績は、今なお多くの野球ファンや選手たちに語り伝えられています。

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