織田信及

織田信及：大和柳本藩最後の藩主の生涯

織田信及は、大和柳本藩の第13代にして最後の藩主として知られています。天保14年（1843年）または天保15年（1844年）の生まれとされ、幼名は長依、通称は元丸、修理です。家系は尚長流織田家であり、第11代藩主・織田信陽の十男にあたります。

信及の生涯は、激動の時代を反映したものでした。慶応4年（1868年）、新政府が優勢となる情勢をいち早く見抜き、兄である12代藩主・織田信成の代理として上洛します。閏4月19日には信成の養子となり、5月6日には信成の隠居に伴い家督を相続、藩主の座につきました。同月14日には従五位下大和守に叙任され、6月25日には新政府から帰藩を許可されています。同年10月12日には、崇神天皇陵と景行天皇陵の修復許可を願い出た記録が残っています。

明治維新後、明治2年（1869年）6月24日には版籍奉還により柳本藩知事となりましたが、明治4年（1871年）7月14日、廃藩置県により免官されています。私生活では、明治2年（1869年）12月2日に片桐貞信の娘である謙子と結婚。3男2女をもうけました。

その後も信及は、明治9年（1876年）には宮中侍候となり、明治17年（1884年）7月8日には子爵に叙爵されるなど、華族として活躍しました。しかし、明治22年（1889年）8月2日、47歳という若さでこの世を去ります。法号は泰林院殿大道宗弁大居士、墓所は東京都渋谷区広尾の祥雲寺です。

信及の生涯を特徴づける出来事

慶応4年（1868年）：兄の代理として上洛、養子となり家督を相続。
明治2年（1869年）：版籍奉還により柳本藩知事に。謙子と結婚。
明治4年（1871年）：廃藩置県により免官。
明治9年（1876年）：宮中侍候となる。
明治17年（1884年）：子爵に叙爵。
明治22年（1889年）：死去。

系譜

信及の系譜は、父が織田信陽であることが分かっていますが、母については不明です。子については、長男の信愛と次男の織田秀実を含む、3男2女が確認されています。これらの詳細な情報については、今後の調査が必要となるでしょう。

まとめ

織田信及は、激動の時代を生きた大和柳本藩最後の藩主でした。藩主としての役割を終えた後も、宮中侍候や子爵として、新たな時代の中で活躍しました。彼の生涯は、時代の変化の中で柔軟に対応し、新たな道を切り開こうとした、一人の華族の姿を映し出しています。今後の研究により、さらに詳細な情報が明らかになることが期待されます。

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