織田武雄

織田武雄について

織田武雄（おだ たけお）は、1907年6月29日に京都府京都市で生まれ、2006年10月18日にこの世を去った日本の地理学者です。彼は人文地理学を専門とし、長きにわたり教育と研究に携わりました。特に京都大学の名誉教授としてその名を知られています。

経歴

戦前の活動

織田は、京都府立第一中学校（現・京都府立洛北高等学校）および七高（第七高等学校）の後、1929年に京都帝国大学の文学部に入学します。この大学で地理学を専攻し、1932年に卒業しました。卒業後は龍谷大学予科や関西学院高等商業学校、立命館大学で講師の職を務めていました。1940年には関西学院高等商業学校の教授に就任します。

戦後の活動

1946年4月からは立命館大学の文学部教授を務めますが、翌1947年3月には母校である京都大学に転任し、助教授として教壇に立つことになりました。この転任の理由は、戦中に京都大学の地理学教室が地政学に偏った研究を行ったため、戦後は全ての教官が退任することとなったためです。

彼が京都大学地理学教室に赴任した当初は、東洋史講座の宮崎市定が兼任で地理学を教えていましたが、彼はその後、長い間一人でその教室の再建に力を注ぎました。1950年には教授に昇格し、1961年には文学博士の学位を取得。1971年に定年退官し名誉教授となってからも、関西大学文学部教授として1978年まで教え続けました。

学界への貢献

織田武雄の学界への貢献も重要です。1948年には人文地理学会が設立され、初代会長を務めました。その後、1958年から1962年、さらに1968年から1970年の期間にも再任されています。また、1974年から1975年まで日本地理学会の会長として活動しました。彼の指導のもと、多くの後進が育成され、人文地理学の発展に寄与しました。

研究と著作

織田は数多くの著作も手がけており、特に共著によるものが多いです。代表的な著作には、1949年から1950年にかけての『人文地理学概説』や、1956年の『人文地理学概論』、1957年から1959年にかけて編集された『歴史地理講座』などがあります。さらに、多くの地理関連の辞典やハンドブック、百科事典の編纂にも関与し、教育資材の充実にも寄与しました。

最後に

織田武雄は、その豊かな学識と教え子への情熱を持ちながら、長い人生を全うしました。彼の業績は今もなお、日本の地理学界において重要な位置を占めています。学問の発展に貢献し、多くの学生に影響を与えた彼の足跡は、今後も研究者たちに引き継がれていくことでしょう。

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