織田秀則

織田 秀則（おだ ひでのり）

織田秀則は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、美濃岐阜城主の織田信忠の次男として生まれました。彼の異母兄には織田秀信がおり、名称には秀利という異名も存在します。また、彼は織田信長の孫にあたるため、織田家の一族に属する重要な人物です。さらに、秀則はキリスト教に改宗し、洗礼名としてパウロを持ちました。

生涯

秀則の生涯は、慶長元年（1596年）頃から始まります。この時期、彼は大坂城下に居住しており、キリスト教に信仰を寄せるようになりました。秀則だけでなく、彼の兄である秀信も同じくキリスト教を受け入れたことから、織田家内での信仰の広がりが伺われます。当時、日本に派遣されていた宣教師ルイス・フロイスは、秀則について高い品格を評価し、「彼と少し話をした場合、その素性を知らずにドイツの貴族と判断してしまうだろう」と評しています。

慶長3年（1598年）には、京都の妙心寺にある塔頭として見性院を創建しました。この寺院は後に美濃の石河氏によって桂春院へと整えられ、今日においてもその存在が続いています。特に、見性院では秀則がキリスト教の教えに従い、精神的な修養を行ったとされています。強い信仰心が、彼の人生に大きな影響を与えていたことが想像できます。

慶長5年（1600年）には、関ヶ原の戦いが勃発し、秀則は兄の秀信と共に西軍に属しました。美濃の岐阜城に籠城し、戦闘の激化に備えました。一般的には偽書とされている『江源武鑑』の巻十八には、秀則の弟である織田左衛門が大いに功績を上げたと記されていますが、信憑性には議論が残ります。

戦後、兄の秀信は改易され、秀則は豊臣家のもとで新たな生活を始めることを選びました。最初は大坂城下に移り住みましたが、その後、豊臣家の滅亡により京都に移住しました。彼の人生は、戦が終わりを告げた後も大きな転機を迎えることになります。晩年、彼は剃髪し、宗爾という名前を名乗りました。また、津田信益と改名したとの伝承もありますが、実際には同名の別人との交錯もあり、詳細ははっきりしない部分もあります。

死亡

寛永2年（1625年）10月27日、秀則は京都にて45歳で死去しました。彼の人生は、彼自身の信仰や倫理観、家族との関係など、さまざまな要素が交じり合っています。織田秀則の存在は、武将としてだけでなく、キリスト教の受容においても大きな足跡を残していると言えるでしょう。

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