織部流

織部流の歴史と特性

織部流（おりべりゅう）は、茶道の重要な流派の一つです。この流派は、茶の湯の発展に寄与した古田織部から始まりました。織部は豊臣秀吉の御咄衆であり、江戸幕府初期の茶道において重要な役割を果たしました。彼の影響を受けた茶のスタイルが広まり、特に安土桃山時代末期から江戸時代前期にかけてその人気は高まりました。

流派の概要

現在、織部流は以下のようなサブ流派に分かれています:

• - 織部流古織会
• - 式正（しきせい）織部流（織部桔梗会）
• - 織部流扶桑派
• - 古田織部流（正伝会）

これらの流派は、それぞれ異なる点前（茶を点てる作法）を持っていますが、いずれも古田織部に起源を持ちます。特に「式正茶法」や「織部流扶桑派」、「織部流古織会」の点前は、明治期の茶人である原宗改とその弟子たちによって整理整頓されたものです。

古田織部の影響

古田織部は、将軍徳川秀忠の茶の湯指南役としても知られ、彼の流派は当時の茶の集まりにおいて中心的な存在でした。彼の死後、幕府の高貴な人物や藩主たちが彼の茶道を好んだため、織部流はしばらくの間、茶道の主流派の一つとして栄えました。各藩においても織部流の茶が広まり、特に加賀藩、仙台藩、尾張藩などでの流行が顕著でした。

近代の変遷

明治維新後、古田淵黙の子孫である古田宗関は、伝統的な茶道を一般に広める活動を行いました。彼の弟子には古田素春や岡崎淵冲などがいて、それぞれが織部流茶道の普及に寄与しました。しかし、昭和期には茶道の流派が複雑化し、特に秋元瑞阿弥が創流した「式正織部流」が新たに注目を浴びるようになりました。この流派では、厳格な点前が重視されており、特に天目の茶碗を使用することが特徴です。

現代の織部流

昭和30年（1955年）、見中斎米山が「織部流扶桑派」を創流し、同時に文化財としての認知も得ました。これにより、織部流は新たな発展を遂げました。さらに、近年では「織部流古織会」や「古田織部流正伝会」といった組織が設立され、古田織部が在世した頃の茶道を復元する試みが行われています。

特徴

織部流の特性には独特の道具や準備法が見られます。例えば、竹筒のような形の茶入れや歪んだ形状の茶碗が特徴的です。これらは古田織部が好んだ道具で、彼の個性を反映しています。点前については、【茶会記】や様々な古典文献にその詳細が記されています。

また、流派によって点前のスタイルや使用する道具が異なるため、同じ流派内でも広範なバリエーションがあります。このように、織部流はその多様性を持ちつつ、各流派の伝統を受け継ぎ続けています。

門人の一覧

織部流の門人には多くの著名な歴史的人物が含まれていますが、具体的には武士や公家、町衆らが代々この流派を支えてきました。特に、土屋宗俊や小堀遠州などの高弟たちは、当時の茶道界において重要な役割を果たしました。

このように、織部流は歴史深く、さまざまな流派へと繋がる重要な茶道の流派であると言えるでしょう。

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