土屋宗俊

土屋宗俊（つちや そうしゅん）

土屋宗俊は江戸時代前期の武士であり、戸田流剣豪として名を馳せた茶人です。本名は金左衛門で、寛文11年（1671年）7月25日に亡くなりました。彼は加賀藩、久留米藩、福岡藩に仕官し、その生涯には多くの戦闘や研鑽の日々が含まれています。

生涯と武士としての活動

宗俊は加賀藩の前田家に500石で仕官していましたが、後に浪人となり古田織部のもとで茶の湯を学ぶために寄宿します。彼は名高い剣豪である戸田清元の高弟で、免許皆伝を受けています。宗俊は関ヶ原の合戦に出陣し、二ヶ所に深手を負いますが、それでも武士としての名声を高め幸先の良いスタートを切ります。

その後、久留米藩主である有馬豊氏に400石で仕官を再開します。この時期、島原の乱において昇頭として出陣しましたが、不運にも負傷し戦功をあげることはかないませんでした。豊氏は茶人として広く知られていますが、晩年には茶の湯を軽視し乱舞を好むようになりました。これを受けて、宗俊は福岡藩の大老黒田睡鴎の仲介により黒田忠之に仕官します。

茶人としての名声と弟子たち

茶人として宗俊は、越前大野城主の金森長近の茶堂や、伏見の古田織部の食客として茶の湯を深く学びました。その後、久留米藩主に仕えた後、約3年間ほど堺に滞在しました。名声を聞いた黒田忠之が宗俊を福岡藩に迎え入れ、彼の指導のもとで福岡藩内で織部流の茶道が広まりました。

彼の弟子は、石原水月や衣非了義、有馬驢入、三宅道和、三谷古斎など多岐にわたる顔ぶれが揃っています。また、孫弟子である立花実山の著書が、宗俊の実像を知るための重要な資料となっています。彼の茶の流れは南坊流にも引き継がれ、茶道の発展に寄与しています。

伝承と家族

宗俊の家庭には伝十郎という息子がいましたが早世し、孫娘には福島仁兵衛の子（土屋喜右衛門）を養子に迎えました。宗俊の子孫は後に200石の知行を受け継ぎ、福岡藩士としてその名誉を保持しました。彼の遺骸は承天寺に葬られています。

宗俊の剣術と茶道は、彼が影響を与えた弟子たちや、その後の流派の発展によって今なお語り継がれています。彼の尽力によって、江戸時代の茶の湯文化はさらに豊かになり、後世の茶道に大きな影響を及ぼしました。

もう一度検索