罪人形

罪人形

『罪人形』は、1970年1月5日から2月27日までフジテレビ系ライオン奥様劇場枠で放送された連続テレビ映画です。全40回の白黒作品として、昼間の奥様層を中心に人気を博しました。

概要

本作は「奥様劇場」の第43作にあたり、複雑な運命に翻弄される異父姉妹の愛憎劇を描いたメロドラマです。暗い出生の秘密を抱えた姉妹が、それぞれの愛を貫き、運命に立ち向かう姿が描かれています。当時の平均視聴率は16.6％、最高視聴率は20.6％（ビデオリサーチ関東地区調べ）を記録し、大きな話題となりました。

物語

木暮あかねは、恋人の正幸からプロポーズを受け、幸せの絶頂にいました。しかしある日、母親の秋子が正幸の両親から、あかねが私生児であること、そして異父姉が存在することを理由に婚約の解消を告げられます。絶望したあかねは、死を覚悟して山中を彷徨いますが、突然の雷雨に襲われ意識を失ってしまいます。そこへ通りかかった青年・小宮に助けられ、無人の山小屋で一夜を明かすことになります。

小宮もまた、父親を知らずに育ったという孤独な身の上を明かし、あかねは彼に共感を覚えます。翌朝、下山中に足を滑らせたあかねを助けようとした小宮は崖から転落し、重傷を負います。必死に看病するあかねの前に、小宮を一途に慕う吉川和江という女性が現れます。実は、和江こそがあかねの異父姉であり、秋子が隠してきた存在でした。二人の姉妹は、愛と憎しみが入り混じる複雑な関係に陥っていくことになります。

キャスト

木暮あかね：松木路子
吉川和江：加賀ちか子
矢代道彦：山下洵一郎
小宮武志：六本木真
堀江謙三：宮川洋一
堀江由美子：浅茅しのぶ
堀江高志：浅見比呂志
木暮秋子：若松和子

ほか

スタッフ

脚本：柳川創造、白井更生
監督：土屋蔵三、永野靖忠、今村農夫也、西河健治、白井更生
音楽：玉木宏樹
プロデューサー：大橋正次(NMC)、湯沢保雄(フジテレビ)
制作：NMC・フジテレビ

主題歌

「罪人形」
作詞・作曲：遠藤実
編曲：牧野昭一
* 歌：三沢あけみ（ミノルフォンレコード）

その他

本作のシナリオ決定稿や、当時の「テレビジョンドラマ」(放送映画出版)などの資料が現存しています。

『罪人形』は、昭和の昼ドラならではのドロドロとした愛憎劇と、それを彩る豪華なキャスト、そして印象的な主題歌によって、多くの視聴者の記憶に残る作品となりました。

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