美並義人

美並義人について

美並義人（みなみ よしと）氏は、1960年7月23日生まれの日本の財務官僚です。東京大学法学部を卒業後、大蔵省（現財務省）に入省し、様々な要職を歴任しました。

キャリア

美並氏は、大蔵省入省後、関税局、国際金融局、主税局、主計局などでキャリアを重ねました。1989年には大阪国税局長浜税務署長に就任し、その後も、大臣官房、内閣官房などでも重要な役職を担いました。2008年には財務省理財局国有財産企画課長に就任し、国有財産の管理に関わる業務を担当しました。その後も、財務省理財局財政投融資総括課長、同総務課長などを経て、2013年には理財局次長に昇進しています。

2015年には主計局次長（筆頭）に就任し、農林水産、文部科学、経済産業、環境、司法・警察を担当しました。2016年6月には近畿財務局長に就任しています。

森友学園問題

美並氏が近畿財務局長を務めていた時期に、学校法人森友学園への国有地売却問題が発生しました。この問題では、売却額が近隣の国有地と比較して著しく低額であったことや、決裁文書の改ざんが行われたことなどが明らかになりました。

2017年2月、朝日新聞がこの問題を報道し、国会でも大きく取り上げられました。財務省は、決裁文書から安倍昭恵氏、鴻池祥肇氏の秘書、平沼赳夫氏の秘書、北川イッセイ氏の副大臣秘書官らに関する記述を削除するよう指示し、近畿財務局の職員によって文書の改ざんが行われました。また、安倍首相と籠池氏の関係を指し示す記述も改竄されました。

この問題で、市民団体から背任容疑で告発されたものの、大阪地検特捜部は美並氏を含む財務省幹部38人全員を不起訴処分としました。その後、財務省は調査報告書を公表し、美並氏を戒告の懲戒処分としました。美並氏は、2018年に財務総合政策研究所長に就任し、2019年には東京国税局長に就任しましたが、2021年7月に退官しました。

退官後

退官後の2021年11月、美並氏は日本郵便の専務執行役員に就任し、2023年6月には代表取締役副社長兼執行役員副社長に就任しています。

その他

森友学園問題では、地下ごみの存在が確認される前に土地が大幅に値引きされ、国に大きな損害を与えたとされています。
赤木俊夫氏の自殺に関連して、美並氏が全責任を負うという発言があったとする手記が公開されました。

美並氏のキャリアは、財務官僚としての専門性と経験を示す一方で、森友学園問題における対応は、国民からの信頼を大きく損なう結果となりました。

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