美吉左久子

美吉 左久子の生涯

美吉 左久子（みよし さくこ）は、1919年8月31日に兵庫県神戸市で生まれました。彼女は宝塚歌劇団の伝説的な男役者であり、元花組・月組・雪組・星組の組長としても知られています。彼女の本名は春馬 美智子で、身長162cm、愛称は「ウマちゃん」や「ハルウマさん」として親しまれていました。本業での活躍だけでなく、彼女は「第14回芸術祭賞奨励賞」を受賞するなど、その才能が評価されました。

宝塚歌劇団への道

左久子は、神戸市兵庫尋常小学校を卒業後、1932年4月に宝塚音楽歌劇学校に入学し、宝塚少女歌劇団に加入します。当時、入学はそのまま入団を意味し、学校と劇団が密接に結びついていました。左久子の入団時の成績は39人中35位で、初舞台は1933年4月の『世界一周』でした。

組長としての功績

彼女は1950年から1951年まで月組の組長を務め、その後1953年から1961年まで雪組の組長として活躍しました。さらに1963年から1965年には花組の組長を務め、1969年から1975年には星組の組長を務めるなど、彼女の組長としての地位は宝塚歌劇団の中で独特なものでした。全組で組長を務めたのは左久子ただ一人で、宝塚歌劇団の歴史の中でも特に重要な役割を果たしました。彼女は1979年の『白夜わが愛』をもって宝塚歌劇団を退団しました。

退団後の活動

退団後は、宝塚歌劇団の演技講師として新人の育成に尽力します。1981年には演技指導を開始し、『海鳴りにもののふの詩が』を皮切りに、『夜明けの序曲』や『風と共に去りぬ』、『ベルサイユのばら』など数々の作品でその手腕を発揮しました。彼女の指導を受けた多くの後輩たちは、現代の舞台で活躍しています。

死とその後

左久子は2010年11月に死去しましたが、彼女の功績は今でも多くの人々に記憶されています。2014年には宝塚歌劇の殿堂に最初の100人の一人として殿堂入りを果たし、彼女の業績は宝塚歌劇団の歴史の一部として長く語り継がれることとなりました。

主な舞台出演

左久子は、宝塚歌劇団在団中に数多くの舞台に出演し、その中でも特に印象的なのは、1941年の『弓矢太郎』、1942年の『名馬する墨』、1955年の『かっぱの姫君』、1964年の『レビュー・オブ・レビューズ』などです。彼女の演技は、多くの観客に感動を与え、今なお伝説として語り継がれています。

彼女が残した宝塚歌劇団への影響は計り知れず、彼女の存在は多くのファンによって愛され続けています。美吉左久子は、ただの舞台俳優ではなく、宝塚歌劇団の歴史の中で特別な位置を占める人物となりました。

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