美味しんぼ倶楽部

『美味しんぼ倶楽部』は、1986年3月31日から1989年3月31日までの3年間、フジテレビ系列で平日昼前に放送された生活情報バラエティ番組です。料理やグルメ情報などを中心に、視聴者の生活に役立つ情報を軽快に届けていました。

番組の顔ともいえる出演者陣は、当時フジテレビのアナウンサーや人気タレントで構成され、視聴者から高い人気を博しました。メイン司会は露木茂、須田哲夫、野間の3名。この3名は、番組終了後の『FNNニュースレポート11:30』や『FNNスピーク』といった報道番組にも出演していました。多忙なスケジュールの中、この番組にも出演していたことからも、番組への力の入れ具合が伺えます。

永島敏行もレギュラー出演。彼は1987年4月から9月にかけては『FNNスーパータイム』週末版のスポーツキャスターも兼務し、番組末期の1989年3月24日と31日には『FNNスピーク』の金曜サブキャスターを務めるなど、精力的に活動していました。

メイン司会である露木と須田の欠席時には、当時『FNNスーパータイム』を担当していた逸見政孝アナウンサーや、『おはよう!ナイスデイ』に出演していた桑原征平アナウンサーが代役を務めることもありました。これには、フジテレビと関西テレビという系列局を跨いでの協力体制が見て取れ、番組制作への熱意が感じられます。

番組スタッフも、ベテラン揃いでした。ディレクターには松尾利彦氏、プロデューサーには古賀憲一氏が名を連ね、制作協力は日本テレワークが担当。制作著作はフジテレビが行っていました。

放送に関しては、地域によって微妙な違いがありました。11時台のみネットの局では、番組内のコーナーである「夕食ばんざい」や「いいものセレクション」が、『奥さまリビング』など、それぞれの局が独自に制作したコーナーに差し替えられて放送されていました。また、エンディングのスタッフロールは関東ローカルのみの放送となり、それ以外のネット局では「制作協力・制作著作」のクレジットのみが流されていました。この点からも、番組が関東ローカル色を強く持っていたことがわかります。

『美味しんぼ倶楽部』は、出演者の巧みなトークとテンポの良い進行、そして視聴者にとって役立つ情報を提供する構成により、高い人気を誇りました。当時を知る世代には、懐かしい思い出と共に、日本のテレビ番組制作の多様性を感じさせる貴重な番組と言えるでしょう。番組の枠を超えた出演者の兼務や、ネット局への配慮など、制作側の様々な工夫が凝らされた、当時のテレビ事情を垣間見ることができる番組でもありました。放送期間こそ3年間と短かったものの、その内容は、視聴者の記憶に深く刻まれているはずです。

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