美和村 (広島県)

美和村（みわむら）

美和村は、かつて日本の広島県山県郡に位置していた自治体、すなわち村です。現在の地理区分としては、広島県山県郡北広島町の一部にあたる地域に存在していました。この村は、昭和31年（1956年）に周辺の町村と合併して消滅するまでの期間、この地域の行政単位として機能していました。

沿革

美和村の成り立ちは、日本の近現代における市町村制度の開始期に遡ります。明治22年（1889年）4月1日、全国的に町村制が施行された際、山県郡内にあったいくつかの既存の村が合併して新たな村が設置されました。この時に合併して一つの自治体となったのは、移原村、溝口村、高野村、米沢村、大暮村、そして小原村という六つの村です。これらの村の統合によって、「山廻村（やまもうりむら）」が発足し、村としての自治を開始しました。したがって、現在の美和村の区域は、元々これらの六つの村の領域であったということになります。

山廻村として存続していましたが、発足から約40年が経過した昭和3年（1928年）4月1日に、村の名称が変更されることになりました。この日をもって、山廻村はその名前を「美和村」と改称しました。名称変更の具体的な経緯や理由は、限られた情報からは詳らかではありませんが、村の歴史における重要な節目となりました。

美和村としての歴史は、昭和31年（1956年）9月30日に終焉を迎えます。この時期、地方自治体の組織再編や合併が全国的に推進されており、山県郡においても周辺町村との合併が実施されました。美和村は、同じ山県郡に属していた八幡村、雄鹿原村、中野村と合併することとなりました。これらの四つの村が合併して、新たに「芸北町」という自治体が発足したのです。この合併により、美和村は独立した自治体としての存在を終え、その区域は新設された芸北町の一部となりました。これが美和村の廃止と同義となります。

その後、芸北町は平成16年（2005年）2月1日に、山県郡内の他の三町（豊平町、大朝町、千代田町）と合併し、現在の北広島町が誕生しています。このことから、かつて美和村が存在した地域は、現在では北広島町の一部として引き継がれていることがわかります。

美和村は、明治期の山廻村としての発足から、美和村への改称を経て、昭和の合併による廃止まで、およそ67年間にわたって存続しました。この間、地域社会の変遷を見守り、住民生活や文化を育む場としての役割を果たしました。

参考文献

『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目

広島県の廃止市町村一覧
芸北町
北広島町

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