美女♂men Z

美女♂men Z（びじょメンゼット）は、2010年から2016年まで活動した日本のロックバンドです。最大の特徴は、メンバー全員が男性であるにもかかわらず、「ガールズバンド」を名乗っていた点にありました。特に、タレントとして知られた桜塚やっくんがボーカルを務めていたことでも注目されました。

結成とバンド名の変遷

バンドの誕生は、2010年に放送されたTBSの音楽番組「Music Birth」の企画に端を発します。この企画の中で、従来の枠にとらわれない新たなスタイルのバンドとして結成されました。当初は「美女♂men Vlossom」という名称で活動を開始しましたが、2013年2月に現在のバンド名である「美女♂men Z」へと改名しました。

音楽活動と国内外での展開

美女♂men Zは、そのユニークなコンセプトだけでなく、音楽面でも実績を残しました。デビュー曲『恋のメタモルフォーゼ』は、THE ALFEE|THE_ALFEEの高見沢俊彦氏がプロデュースを手がけ、レコチョクランキングで2位にランクインしました。また、2010年にはSHAZNAのヒット曲『Melty Love』をカバー。レコチョクで着うたの先行配信が行われると、ウィークリーランキングで首位を獲得するなど、商業的な成功も収めています。

ライブ活動も積極的に行い、バンドとして初めてステージに立ったのは、なんと2010年の上海万博「日本産業館」という特別な場所でした。その後も国内でのライブを重ねる一方、海外のイベントにも参加。2013年9月にはフランスの「Tokyo Crazy Kawaii Paris」、2014年9月には台湾の「Tokyo Crazy Kawaii Taipei」に出演し、海を越えてその存在を知らしめました。国内の単独公演では、2014年4月に行われた赤坂BLITZでのライブで1000人を集客する成功を収めています。さらに、2015年3月には主演ロックミュージカル「マジカル・リバース・ワールド」を上演し、劇中音楽も担当するなど、表現の幅を広げました。

メンバー構成とその軌跡

バンドのメンバーは流動がありましたが、核となる存在がいました。初期からボーカルを務めた桜塚やっくんは、2013年に不慮の事故により死去しましたが、その後も公式サイトのプロフィールにはメンバーとして記載され続け、バンドにとって忘れられない存在でした。彼の死後、新たなボーカリストを迎えるために2014年7月には公開オーディションが開催され、小出翼氏が選ばれました。彼はその後、各種ライブに参加し、バンドの後期を支えました。解散時のメンバーは、ギターの如月なつき氏（作詞作曲も担当）、シンセサイザーの透ch氏（作詞作曲、多様なバンド遍歴を持ち、現在はクリエーターとしても活動）、ベースの伊織殿氏（現在ソロやモデル、舞台俳優として活動）、そしてボーカルの小出翼氏でした。ドラムはサポートメンバーの多時-taji-氏が務めることがありました。旧メンバーとしては、ドラムのRUI氏が2012年12月に脱退しています。彼はその後も音楽活動を続けましたが、後に引退し、結婚して家庭を持ち、現在は不動産業に従事しているとのことです。RUI氏は脱退後もメンバーとの交流を続けていたといいます。

ディスコグラフィー

活動期間中に、美女♂men Zは多数のシングルやアルバムを発表しました。特に、『美女♂Make Box』と題されたシリーズは複数のバージョンがリリースされています。アルバムとしては、『美女♂menZ〜魔法のアルバム〜』や、桜塚やっくんの歌唱曲をまとめた『やっくんBEST』、そして『くノ一忍法帖〜歌い手刺客の巻〜』などがあります。

解散、そしてその後のメンバー

約6年間にわたる活動は、2016年5月21日に開催されたワンマンライブ「美女♂men Last Stage〜六年の軌跡〜」をもって幕を閉じました。個性的なコンセプトと多彩な活動で日本の音楽シーンに足跡を残した美女♂men Zですが、解散後もメンバーそれぞれが新たな道を歩んでいます。彼らが残した楽曲や活動は、今もファンの記憶に刻まれています。

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