美山しぐれ

美山しぐれの人生と宝塚歌劇団時代

美山しぐれ（みやま しぐれ）は、東京都に生まれた元宝塚歌劇団の男役であり、その美しい舞台表現と存在感から多くのファンを魅了した。彼女の芸名は、宝塚歌劇団内で付けられたものであり、親しみを込めて「おじいさま」とも呼ばれ、愛されていた。

来歴と宝塚歌劇団入団

美山は1938年、宝塚歌劇団の28期生として入団し、初舞台は『世界の詩集』であった。当時の成績は29人中21位であったが、その後の活躍を考えると、彼女の潜在能力は早くから周囲に認識されていたに違いない。特に1963年には、月組の組長に就任し、以降はその役職を全うし続けた。

彼女は1976年に宝塚歌劇団を退団し、最後の出演舞台は『赤と黒』であった。月組時代の彼女は数多くの名作に出演し、独自の個性を発揮した。

主な舞台出演作品

宝塚歌劇団における美山しぐれの代表的な出演作には、以下のようなものがある：

• - 『南の哀愁』（ジョテファ役、1964年）
• - 『レビュー・オブ・レビューズ』（1964年）
• - 『ユンタ』（踊る男役、1964年）
• - 『ボン・ビアン・パリ』（フローベル役、1965年）
• - 『スペードの女王』（アンドロヴィッチ役、1965年）
• - 『ファンタジア』（宝石店主人役、1966年）
• - 『ローレライ』（サイモン役、1966年）
• - 『おーい春風さん』（親方役、1967年）
• - 『オクラホマ!』（スキドモア役、1967年）
• - 『アディオ・アモーレ』（ルチアーノ役、1967年）
• - 『ラプソディ』（連隊長役、1968年）
• - 『ウエストサイド物語』（シュランク刑事役、1968年/1969年）
• - 『嵐が丘』（ケネス医師役、1969年）
• - 『四季の踊り絵巻』（花三番役、1970年）
• - 『人魚姫』（魔女役、1971年）
• - 『ゴールド・ヒル』（シュネル役、1971年）
• - 『さらばマドレーヌ』（モントレー侯爵役、1972年）
• - 『ベルサイユのばら』（メルシー伯爵役、1974年）
• - 『春鶯囀』（老爺友次郎役、1975年）
• - 『恋こそ我がいのち』（ピラール校長役、1975年）

美山の舞台は、幅広い役柄とスタイルを持ち、時にはコミカル、時にはシリアスな演技で、観客の心をつかんだ。

映画出演

また、彼女は舞台だけでなく映画の世界でも活動しており、1957年の作品『夕凪』ではクロークの女A役として出演した。宝塚一筋とは言えない多才な活動は、彼女の魅力の一部である。

まとめ

美山しぐれは、その才能と存在感により宝塚歌劇団の歴史の中で揺るぎない地位を築いた。舞台での彼女の表現は、これからも多くの人々の記憶に残り続けるだろう。退団後も愛され続ける彼女の姿は、宝塚の精神そのものである。

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