美濃歌舞伎博物館 相生座

美濃歌舞伎博物館 相生座

美濃歌舞伎博物館 相生座は岐阜県瑞浪市日吉町にある博物館で、明治時代に建てられた地芝居の芝居小屋を復元しています。この博物館は、地元の歌舞伎文化を学び、体験するための貴重なスペースとなっています。

歴史

美濃国および飛騨国では、江戸時代から明治時代にかけて、人々による地芝居（歌舞伎）が盛んに行われていました。多くの芝居小屋が建てられ、地域の人々に愛されてきました。現在の美濃歌舞伎博物館 相生座の基盤となったのは、明治時代に建設された二つの芝居小屋です。舞台部分は岐阜県恵那市にあった常盤座から、客席部分は下呂市の相生座から移築されています。

移築と開館

太平洋戦争によって多くの芝居小屋が廃止されていく中で、1971年には日吉ハイランド倶楽部に歌舞伎衣装や小道具が寄贈され、この時を契機に地元従業員たちによる歌舞伎が催されるようになりました。翌1972年には美濃歌舞伎保存会が結成され、松本団升による演技指導を受けながら相生座の開設が進められました。そして、1976年に美濃歌舞伎博物館 相生座が正式に開館しました。

建築

相生座の舞台部分は明治20年から明治30年頃に建設された常盤座から移築され、客席部分は相生座から移されました。この施設は、板敷きの桟敷席や二つの花道、回り舞台を持っており、舞台下には水槽が設置されています。この水槽は、相生座の杮落としを記念して設置されるもので、市川猿之助による「鯉つかみ」が行われた際に活用されました。また、博物館内には江戸時代からの歌舞伎衣装4500点、鬘350点、小道具300点といった展示物が所蔵されています。

利用案内

美濃歌舞伎博物館 相生座は、日吉ハイランド倶楽部ゴルフ場の敷地内に位置しており、夏の納涼歌舞伎や秋の敬老歌舞伎といった公演も行われています。開館時間は9:00から17:00までで、金曜日と年末年始は休館日です。入場料は無料です。アクセス方法としては、瑞浪市コミュニティバスの日吉線「田高戸」バス停から徒歩でアクセスできたり、中央自動車道から車で約15分、JR中央本線の瑞浪駅からも車で約20分で到着します。

岐阜県の芝居小屋

岐阜県は地芝居が活発な地域で、江戸時代から昭和時代にかけて建設された木造の芝居小屋が数多く残されています。代表的な芝居小屋には、鳳凰座や白雲座、黒川の東座などがあります。美濃歌舞伎博物館 相生座も、こういった地域の文化を支える重要な存在として、今なお愛され続けています。

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