美獣乱舞

エアロスミス『美獣乱舞』解説

『美獣乱舞』（原題：Rock in a Hard Place）は、エアロスミスが1982年に発表した7作目のスタジオ・アルバムです。このアルバムは、バンドにとって非常に困難な時期に制作されました。

制作背景

1979年にジョー・ペリー、1981年にはブラッド・ウィットフォードがバンドを脱退。オリジナル・ギタリスト2人を欠いた状態で制作された作品です。ブラッドは一部のパートのみ参加しています。

スティーヴン・タイラーは、リード・ギターを担当したジミー・クレスポにエアロスミスらしい演奏を求めました。しかし、ジミー自身は、一部の楽曲は気に入っているものの、アルバム全体としては自分の個性を十分に発揮できなかったと語っています。

楽曲について

本作からの第1弾シングル「ライトニング・ストライクス」は、『ビルボード』誌のメインストリーム・ロック・チャートで21位を記録しました。

収録曲は以下の通りです。

1. ジェイルベイト - Jailbait
2. ライトニング・ストライクス - Lightning Strikes
3. ビッチェズ・ブリュー - Bitch's Brew
4. 彷徨えるボリヴィアン - Bolivian Ragamuffin
5. クライ・ミー・ア・リヴァー - Cry Me a River
6. プレリュード (ジョーニーに捧ぐ) - Prelude to Joanie
7. ジョーニーズ・バタフライ - Joanie's Butterfly
8. ロック・イン・ア・ハード・プレイス - Rock in a Hard Place
9. ジグ・イズ・アップ - Jig Is Up
10. プッシュ・カムズ・トゥ・ショウヴ - Push Comes to Shove


特記なき楽曲はスティーヴン・タイラーとジミー・クレスポの共作です。

参加ミュージシャン

スティーヴン・タイラー - ボーカル、ピアノ、キーボード、ハーモニカ、パーカッション
ジミー・クレスポ - ギター
リック・ダフェイ - ギター
トム・ハミルトン - ベース
ジョーイ・クレイマー - ドラムス
[ブラッド・ウィットフォード]] - リズム[[ギター]

ゲスト・ミュージシャン

ジャック・ダグラス - パーカッション
ラインハード・ストローブ - [ヴァイオリン]
ジョン・リヴァーノ - [ギター]
ジョン・トゥリ - サックス(on 8.)
* ポール・ハリス - [ピアノ]

その後

ジミー・クレスポとリック・ダフェイは本作に伴うツアーにも参加しましたが、その後ジミーは脱退を決意。1984年にはジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードがバンドに復帰し、エアロスミスは再び黄金期のメンバーで活動を再開しました。

『美獣乱舞』は、エアロスミスの歴史において、メンバーの入れ替わりや音楽性の変化など、様々な要素が絡み合った過渡期の作品として、重要な位置を占めています。

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