美郷町 (島根県)

美郷町の概要

美郷町（みさとちょう）は、島根県の中央部に位置する町で、邑智郡に属しています。2004年10月1日に邑智町と大和村が合併して誕生しました。周囲には美しい自然が広がり、観光やアウトドア活動に訪れる人々に魅力的な地域です。

地理

江の川が町を流れ、東部には中国山地の山々がそびえています。一部地域は豪雪地帯として知られ、冬は雪に覆われることがあります。隣接する自治体には、大田市、飯南町、川本町、邑南町、さらには広島県の三次市があります。

歴史

美郷町の中心である粕渕は、江の川が大きく曲がる地点に位置し、かつては舟運の要地として栄えていました。江戸時代には天領石見銀山の支配下であり、幕末の慶応2年には備後福山藩主がここに滞在した歴史もあります。

浜原は江の川の上流から運ばれた小舟から大舟へと荷物が積み替えられる重要な場所で、周囲には多くの問屋がありました。明治時代には道路の整備が進み、大正時代には熊見水力発電所が完成し、舟運が衰退し商業の中心地が粕淵に移りました。昭和初期には三江線が延伸され、地元の要望を受けて粕渕や浜原を通るルートが選ばれましたが、残念ながら三江線は2018年に廃止されました。

行政

美郷町の行政は、町長の嘉戸隆、副町長の岸本建夫、教育長の阿川俊治によって統括されています。また、町を治安の面で支える川本警察署が管轄しています。

教育

2008年時点で、美郷町内の世帯数は2490世帯でした。教育機関としては、2009年に閉校した島根県立邑智高等学校を除き、小学校と中学校が存在しています。具体的には、美郷町立邑智小学校、美郷町立大和小学校、美郷町立邑智中学校、美郷町立大和中学校があります。

経済・産業

美郷町では、豊かな自然と伝統文化を活かした観光客誘致に取り組んでいます。その一環として、山国の特産品であるイノシシ肉は特に注目されています。地域の過疎化や耕作放棄地の増加により、イノシシによる農作物の被害が深刻となり、捕獲や管理に補助金が提供されるようになりました。2004年には「おおち山くじら生産者組合」が設立され、品質の高いイノシシ肉をブランド化する努力が始まりました。更に、2018年には「美郷バレー」構想が立ち上がり、ジビエの活用と農地への被害防止に向けた総合的な対策が進められています。

交通

美郷町内には鉄道路線は通っていませんが、最寄りのJR西日本山陰本線の大田市駅からアクセス可能です。過去には三江線が通っていたため、粕渕駅や浜原駅も存在しましたが、現在は廃線となっています。バス路線は石見交通や美郷町スクールバス、大和観光などが運行されており、地域住民の移動手段となっています。

観光

美郷町には歴史的な名所や美しい自然が点在しており、観光客に人気のスポットがいくつかあります。例えば、石見銀山街道や蟠龍峡、浜原ダム、田ノ原展望台公園などがあります。江の川では遊覧船やカヌー体験も楽しむことができ、また、季節ごとの祭りイベントも開催されています。温泉施設も複数あり、訪れる人々に癒しのひとときを提供しています。

美郷町は、その自然や歴史、文化に触れることができ、多様な体験を提供する町として、訪れる人々に愛され続けています。

もう一度検索