美野里町

美野里町（みのりまち）

茨城県の中部に位置し、かつて存在した町です。2006年3月27日に、東茨城郡小川町および新治郡玉里村と合併したことにより、新たに小美玉市が誕生し、美野里町はその歴史に幕を閉じました。

地理的特徴

町域は茨城県の中央部に広がり、豊かな自然環境に恵まれていました。主な河川としては、園部川、巴川、黒川、花野井川などがあり、これらの水系が地域の景観を形成していました。また、八幡池、遠州池、大正地池、上池、池花池、手堤池といった湖沼も点在し、地域住民にとって身近な存在でした。

隣接していた自治体は、北に笠間市、西に石岡市、東に東茨城郡小川町、北東に東茨城郡茨城町があり、これらの市町村との間で交流がありました。

歴史の歩み

美野里町の行政区域の起源は、明治時代初期の廃藩置県に遡ります。1871年の廃藩置県時には、町域は水戸県、松川県、若森県、石岡県、麻生県、宍戸県という複数の県に分割されていました。その後、1889年4月1日の町村制の施行により、現在の町域の基礎となる堅倉村と竹原村がそれぞれ発足しました。

交通網の発達として、1895年12月1日には常磐線の羽鳥駅が開業し、地域の利便性が向上しました。昭和に入り、行政区域の再編が進みます。1956年8月1日には、堅倉村と竹原村が合併して竹原堅倉村が誕生しましたが、その名称は即日美野里村と改称されました。そして1959年4月1日、美野里村は町制を施行し、美野里町となりました。

道路網の整備も進み、1982年4月1日には石岡市と笠間市を結ぶ国道355号が制定されています。そして、2006年3月27日、地方自治体再編の流れの中で、小川町、玉里村とともに新たな市を形成し、美野里町としての歴史は終わりを告げました。

行政

町政は、歴代の町長によって担われました。確認されている歴代町長としては、滑川清氏、任期中に逝去し町葬が営まれた島田長衛氏、外之内光男氏、そして後に小美玉市長となる島田譲一氏が挙げられます。町政を支える歴代助役としては、島田長衛氏、原田啓次郎氏、島田長衛氏（再任）、外之内光男氏、大貫規良氏、篠原新氏、田波平二氏、大枝隆氏などが務めました。

町民サービス向上のため、羽鳥出張所や四季の里出張所が設置されていました。国際交流にも積極的で、1984年10月3日にはアメリカ合衆国カンザス州のアビリン市と姉妹都市提携を結んでいます。

教育機関

町内には、教育の場として以下の学校・幼稚園が存在しました。

高等学校: 茨城県立中央高等学校
中学校: 美野里町立美野里中学校
小学校: 美野里町立竹原小学校、美野里町立羽鳥小学校、美野里町立堅倉小学校、美野里町立納場小学校
幼稚園: 美野里町立納場幼稚園、美野里町立堅倉幼稚園、美野里町立竹原幼稚園、美野里町立羽鳥幼稚園、美野里幼稚園

交通網

町の交通の要衝としては、東日本旅客鉄道（JR東日本）の常磐線が走り、羽鳥駅が町の玄関口となっていました。道路については、主要な幹線道路として国道6号と国道355号が通じており、地域内外へのアクセスを支えました。高速道路としては常磐自動車道が通過し、美野里パーキングエリアが設置されていました。このほか、茨城県道52号石岡城里線や茨城県道59号玉里水戸線といった主要地方道、茨城県道145号上吉影岩間線、茨城県道278号竹ノ内羽鳥停車場線、茨城県道279号羽鳥停車場江戸線などの一般県道が町域を結んでいました。

名所・文化

町内には、人々に親しまれた場所や文化的な行事がありました。希望ヶ丘公園はレクリエーションの場として利用され、堅倉ばやしは地域の伝統的な祭りとして受け継がれていました。また、歴史的な遺構として古墳群が点在しており、過去の営みを今に伝えています。

美野里町は、その地理的環境、歴史的な変遷、そしてそこに暮らした人々の営みを通じて、個性豊かな地域を形成していました。小美玉市の一部となった現在も、その歴史と文化は引き継がれています。

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