群青日和

東京事変デビューシングル「群青日和」：鮮烈な印象を残した一曲

2004年9月8日、日本の音楽シーンに衝撃を与えた一枚。それは、東京事変のデビューシングル『群青日和』です。東芝EMIより発売されたこのシングルは、表題曲「群青日和」とそのカップリング曲「その淑女ふしだらにつき」の2曲を収録。当時から高い注目を集め、大きな話題となりました。

特に表題曲「群青日和」は、三洋電機「au W21SA」のCMソングにも起用され、多くのリスナーの耳に届きました。キャッチーなメロディーと、東京事変独特の世界観が融合したこの楽曲は、瞬く間に人気を博し、バンドの代表曲の一つとして現在も親しまれています。

興味深いのは、このシングルの楽曲に込められた細やかなこだわりです。「群青日和」と「その淑女ふしだらにつき」の演奏時間は、シンメトリーになるよう調整されています。楽曲制作への並々ならぬ情熱が感じられるエピソードと言えるでしょう。

さらに、両楽曲にはそれぞれミュージックビデオが制作されました。「群青日和」単体のバージョンに加え、「群青日和」と「その淑女ふしだらにつき」を繋げたバージョンも存在し、後者はミュージックビデオ集『tokyo incidents vol.1』に収録されています。発売当時にはストリーミング配信も行われ、幅広い層に楽曲を届ける試みもなされました。

「群青日和」のミュージックビデオは、高い評価を受けました。SPACE SHOWER Music Video Awardsでは「BEST GROUP VIDEO」を受賞。ボーカルの椎名林檎は、過去に他の楽曲で同賞の「BEST FEMALE VIDEO」を2度、「BEST ANIMATION VIDEO」を1度受賞しており、その音楽性と表現力の高さが改めて証明されました。

カップリング曲「その淑女ふしだらにつき」は、椎名林檎と刄田綴色のデュエット曲という点も注目に値します。それぞれの個性豊かな歌声が織りなすハーモニーは、楽曲に奥行きを与えています。また、この楽曲もミュージックビデオが制作され、『tokyo incidents vol.1』に収録されています。

もう一つのカップリング曲「顔（faces）」は、椎名林檎と晝海のデュエット曲です。この3曲それぞれの個性と魅力が凝縮されたこのシングルは、東京事変の音楽性を余すことなく伝える、完璧なデビュー作と言えるでしょう。

そして、この「群青日和」は後年、メディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』に登場する架空のガールズバンド、Poppin'Party（戸山香澄役：愛美）によってカバーされました。ゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』に2020年3月28日追加収録され、新たな世代にも東京事変の楽曲が届けられています。

デビューシングルとしてこれだけの完成度と話題性を兼ね備えた『群青日和』は、東京事変の歴史、そして日本の音楽史においても重要な位置を占める作品と言えるでしょう。 その魅力は、時代を超えて多くのリスナーを魅了し続けています。

もう一度検索