群青日和/遭難

東京事変のデビューシングル「群青日和」と「遭難」、そしてカップリング楽曲を収録した初のアナログ盤アルバム『群青日和／遭難』。2004年11月25日、EMIミュージック・ジャパン／Virgin Musicより、12インチアナログ盤として初回限定生産で発売されました。

このアルバムは、東京事変の初期段階におけるサウンドをアナログというフォーマットで堪能できる、貴重な作品となっています。シングル曲である「群青日和」は、三洋電機au W21SAのCMソングとして起用され、当時大きな話題を呼びました。独特の浮遊感と椎名林檎の個性的なボーカルが魅力的な楽曲です。一方の「遭難」は、椎名林檎の圧倒的な表現力が際立つ、ドラマチックな1曲です。

カップリング曲にも注目です。まずA面には、「群青日和」と「遭難」以外に2曲が収録されています。一つは、アメリカの作曲家Lorenz HartとRichard Rodgersによる楽曲「その淑女（をんな）ふしだらにつき」。椎名林檎による日本語詞が加えられ、東京事変独特の色合いで生まれ変わっています。もう一曲は「顔」で、椎名林檎の作詞、晝海幹音の作曲による楽曲です。

B面には、「ダイナマイト」と「心」が収録されています。前者は、アメリカの作曲家Tom GlazerとMort Garsonによる楽曲を東京事変が独自の解釈でカバーしたものです。そして「心」は、椎名林檎が作詞作曲を手掛けたオリジナル曲です。「遭難」とはまた違った、静謐で内省的な世界観を持つ楽曲と言えるでしょう。

ジャケットデザインも特筆すべき点です。CDアルバム『教育』で用いられた、折鶴をモチーフにしたイラストが、白を基調としたデザインで表現されています。『教育』とは異なる印象を与えつつ、東京事変の世界観を繊細に表現した、洗練されたジャケットと言えるでしょう。

『群青日和／遭難』は、東京事変の初期のサウンドをアナログ盤で楽しむことができる、まさにコレクターズアイテムと言えるでしょう。シングル曲の新たな魅力や、カップリング曲の魅力を再発見できる、貴重な一枚です。初回限定生産ということもあり、入手困難な作品ではありますが、東京事変ファン、そしてアナログレコード愛好家にとって、ぜひとも聴いておきたいアルバムと言えるでしょう。その音質とジャケットデザイン、そして楽曲のクオリティの高さは、所有する満足感を与えてくれることでしょう。楽曲の持つ世界観、そしてアナログ特有の温かみのあるサウンドを、じっくりと堪能できる、そんな作品です。

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