群馬県立桐生南高等学校

群馬県立桐生南高等学校：地域に愛された高校の歴史

群馬県桐生市広沢町に位置していた群馬県立桐生南高等学校（以下、桐生南高校または桐南）は、2021年3月31日をもって閉校しました。市内では「南高」や「南」の愛称で親しまれ、多くの卒業生を社会に送り出した歴史ある学校です。本稿では、その歴史と特色、そして閉校に至るまでの経緯を詳細に解説します。

概要：小規模校ながら充実した教育環境

桐生南高校は、全日制普通科のみの男女共学高校でした。1学年4クラスという小規模な学校でしたが、その分、生徒一人ひとりに目が行き届く、アットホームな環境が特徴でした。みどり市との市境に近い広沢丘陵の高台に位置し、校舎からは桐生市街を一望できる絶好のロケーションも魅力でした。最寄りの東武鉄道新桐生駅や阿左美駅から通学する生徒もいましたが、多くの生徒は自転車通学でした。

学校行事：活気あふれる学校生活

桐生南高校の大きな特色の一つが、多彩な学校行事です。多くの高校が文化祭、体育祭、球技大会を数年おきにしか開催しない中、桐南では毎年これらの行事を開催していました。ただし、これらの行事は一般公開されておらず、学校関係者と保護者のみが参加可能でした。この閉鎖的な環境が、生徒たちの結束力を高める一因となっていたのかもしれません。

部活動：全国大会出場実績も

部活動も盛んで、陸上競技部、女子バドミントン部、映画写真部は関東大会や全国大会への出場経験があります。硬式野球部は、2009年と2012年に群馬県大会でベスト4という好成績を残しました。これらの実績は、生徒たちの高いモチベーションと学校全体の熱意を示しています。

校訓と校風：学校理念

桐生南高校の校訓は「燃えろ桐南　左手に雑巾　右手に辞書」です。これは、「高校生活に全力で取り組み、学校と自分の心を磨き、社会に貢献せよ」という強い意志の表れです。校風は「愛と和と熱情と」であり、生徒同士、教職員間の良好な関係性が築かれていたことがうかがえます。

沿革：創立から閉校まで

1962年の県立学校設置規則改正を機に、1963年1月1日、群馬県立桐生南高等学校は設置されました。桐生市立昭和小学校を仮校舎として開校し、同年4月6日には最初の入学式が行われました。その後、段階的に校舎や施設が整備され、体育館、2号館、3号館などが建設されました。1991年には校訓が制定され、2000年にはトレーニングルームが竣工するなど、時代の変化に合わせて学校施設の充実にも努めてきました。しかし、生徒数の減少や近隣の高校との統合問題などもあり、2021年3月31日、群馬県立桐生西高等学校との統合により、閉校となりました。在校生は新設された群馬県立桐生清桜高等学校へ転籍しました。

学校周辺環境

学校周辺には、東武桐生線の新桐生駅と阿左美駅、国道50号、桐生競艇場、岡の上団地、桐生市立神明小学校、桐生市立神明幼稚園などがありました。緑豊かな環境の中で、生徒たちは勉学に励んでいました。

主な学校行事：年間を通して行事が豊富

入学式から始まり、オリエンテーション、体育祭、文化祭、球技大会、修学旅行、研修旅行など、年間を通して様々な行事が行われていました。これらの行事は、生徒たちの学校生活をより豊かなものにしていたと考えられます。

進路状況：多様な進路に対応

桐生南高校は、大学進学を希望する生徒だけでなく、専門学校や就職を希望する生徒にも対応できるカリキュラムを提供していました。特に、近年は4年制大学への進学率が高く、国公立大学合格者も増加傾向にありました。

著名な卒業生

桐生南高校からは、様々な分野で活躍する卒業生が輩出されています。代表的な人物としては、荒井正昭氏（オープンハウスグループ創業者）、岩崎利彦氏（元陸上競技選手）、佐瀬守男氏（ホットランド代表取締役会長、築地銀だこ創業者）、須藤昭男氏（みどり市長）、永井隆氏（ジャーナリスト）、中山慎也氏（元プロ野球選手）、今泉伸二氏（漫画家）、藤生雄人氏（競艇選手）などが挙げられます。これらの卒業生の活躍は、桐生南高校の教育の質の高さを示しています。

結論

群馬県立桐生南高等学校は、地域に愛された小規模高校でした。閉校は残念ですが、その歴史と伝統は、多くの卒業生たちの心に刻まれ、これからも受け継がれていくことでしょう。そして、統合された桐生清桜高校において、桐生南高校の精神が新たな形で発展していくことを期待します。

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