義井博

義井 博（よしい ひろし）について

義井博（1928年10月2日 - 2008年5月26日）は、戦争史に関する研究で知られる日本の歴史学者です。彼は名古屋市立大学の名誉教授として、戦後の日本における歴史学界に大きな影響を与えました。

生涯と学歴

大阪府で生まれた義井は、1952年に名古屋大学文学部史学科を卒業しました。その後、1959年には同大学院の西洋史博士課程を満期退学し、1978年には「日独伊三国同盟と日米関係 太平洋戦争前国際関係の研究」というテーマで大阪大学から文学博士の学位を取得しました。

彼の学術キャリアは、1957年に愛知学院大学で講師として始まり、その後助教授を経て、1964年には名古屋市立大学の教養部で助教授、さらには教授として活躍しました。1994年には同大学を定年退官し、名誉教授に。さらに愛知淑徳大学で教授として教育に携わり、1999年には退職しました。

研究と受賞歴

義井は、20世紀の戦争史に焦点を当て、特に真珠湾攻撃やポーランド電撃戦に関する研究が高く評価されました。1983年には著書『真珠湾奇襲とポーランド電撃戦』で吉田茂賞を受賞し、その業績が広く認められる契機となりました。

著書一覧

義井博の著書には多様なテーマがあり、いくつかの主要な著作を以下に挙げます。彼の著作は、戦争史や外交史に対する多角的な視点を提供しています。

• - 『二〇世紀外交史の一研究』(1964年, 峰書房)
• - 『西洋史像の形成』(1966年, ミネルヴァ書房)
• - 『世界のドキュメント 10　電撃と奇襲』(1968年, 人物往来社)
• - 『国際関係史』(1971年, 南窓社)
• - 『昭和外交史』(1971年, 南窓社)
• - 『西洋史』(1974年, 南窓社)
• - 『カイザー ドイツの世界政策と第一次世界大戦』(1976年, 清水書院)
• - 『ヒトラーの戦争指導の決断 一九四〇年のヨーロッパ外交』(1999年, 荒地出版社)

また、編著や翻訳にも携わり、多くの重要な作品を世に送り出しました。例えば、『目撃者が語る昭和史』シリーズの編纂や、クラウス・ヒルデブラント著『ヒトラーと第三帝国』の翻訳も行いました。

論文と貢献

義井の研究は様々な論文として発表され、CiNiiなどで検索することができます。彼の業績は、戦争史や国際関係の理解を深める上で非常に重要であり、彼の著作や研究成果は、後世の歴史家や学生たちに多大な影響を与え続けています。

義井博の人生と業績は、彼がいかに日本の歴史学に貢献したかを示すものであり、今後も歴史を学ぶ人々にとって重要な参考文献となるでしょう。

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