義江明子

義江明子

義江明子（よしえ あきこ、1948年10月 - ）は、日本の歴史学者。帝京大学名誉教授であり、日本古代史、特に女性史研究において著名な研究者です。

人物・来歴

大阪府出身。旧姓は浦田氏。日本古代における氏神の成立過程からウヂの組織原理とその変遷について研究する傍ら、女性史研究にも力を注ぎ、弥生・古墳時代の女性首長から古代の豪族層女性への展開について詳細な研究を発表しています。ジェンダー的視点から歴史を考察するアプローチは、彼女の研究の特徴の一つです。夫は日本中世史研究者の義江彰夫氏。

略歴

1971年 - 東京教育大学文学部史学科卒業
1979年 - 東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了
1987年 - 「日本古代の氏の構造」で都立大学から文学博士号を取得。
1992年 - 帝京大学文学部助教授に就任
2000年 - 帝京大学文学部教授に昇任。
2017年 - 帝京大学を退任、名誉教授となる。
2018年 - 『日本古代女帝論』で角川源義賞を受賞。

業績

義江明子氏の業績は、日本古代史、特に女性史研究において重要な貢献をしています。彼女の研究は、従来の歴史研究では十分に光が当てられてこなかった女性たちの役割や地位、そして社会におけるジェンダー構造を明らかにするものです。

主な著書

『日本古代の氏の構造』（吉川弘文館、1986年）
『日本古代の祭祀と女性』（吉川弘文館、1996年）
『日本古代系譜様式論』（吉川弘文館、2000年）
『古代女性史への招待…“妹の力”を超えて』（吉川弘文館、2004年）
『つくられた卑弥呼…“女”の創出と国家』（ちくま新書、2005年）
『日本古代女性史論』（吉川弘文館、2007年）
『県犬養橘三千代』（吉川弘文館、2009年）
『古代王権論 神話・歴史感覚・ジェンダー』（岩波書店、2011年）
『天武天皇と持統天皇』（吉川弘文館、2014年）
『日本古代女帝論』（塙書房、2017年）
『推古天皇 遺命に従うのみ群言を待つべからず』（ミネルヴァ書房、2020年）
『女帝の古代王権史』（ちくま新書、2021年）

共編著

『日本女性史大辞典』（吉川弘文館、2008年）
* 『思想と文化』（明石書店、2010年）

これらの著作を通して、義江氏は、日本古代史における女性の役割や地位に関する理解を深め、ジェンダーの視点から歴史を再解釈することの重要性を示しました。彼女の緻密な文献研究と斬新な視点は、多くの研究者に影響を与え、日本古代史研究に新たな地平を開いたと言えるでしょう。

義江明子氏の研究は、単に過去の出来事を明らかにするだけでなく、現代社会におけるジェンダーの問題を考える上でも重要な示唆を与えてくれます。

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