羽後交通横荘線

横荘線の概要

横荘線（おうしょうせん）は、秋田県の横手市と由利郡下郷村（現在の由利本荘市）の老方駅を結んでいた羽後交通の鉄道路線です。この路線は1918年に開業し、1971年に全線が廃止されるまで、約53年にわたり運行されていました。横荘線の総延長は38.2キロメートルで、全線が単線かつ非電化という特徴を持ち、途中14の駅が設置されていました。

歴史的背景

横荘線の建設は、大正時代の「陸羽横断鉄道構想」にさかのぼります。このプロジェクトの一環として、横手から本荘を結ぶ鉄道路線が計画され、横荘鉄道により1918年に横手と沼館の間が初めて開通しました。これに続き、1920年には舘合駅まで延長され、その後1930年には老方駅まで到達しました。

一方で、横荘鉄道は羽後本荘方面への延長も行い、1922年には羽後本荘から前郷までの路線が開業しました。しかし、1937年にはこの区間が国有化され、矢島線となりました。横荘線の開業は当時の経済状況や自然災害によって影響を受け、特に交絡を経て開業への道のりは一筋縄ではいかなかったのです。

合併と経営の変遷

1943年には雄勝鉄道と合併し、横手駅から老方駅間は「横荘線」として運行されました。その後、1944年に羽後鉄道に社名を変更し、交通業界の変化に対応しながらも運営を継続しました。しかし、1947年の台風による被害や、1953年にはナ島焼けの影響を受け、次第に運行が困難になりました。

1952年には羽後交通に社名変更され、その後も路線の縮小が続きました。特に1953年には二井山から老方間が廃止され、この廃止は横荘線全体の運行縮小の始まりを告げました。最後に残った横手駅から沼館駅間も1971年に廃止され、この時点で横荘線の全ての運行が終了しました。

横荘線の影響と代替交通

横荘線が廃止された後、使用されていた気動車は雄勝線に移設され、雄勝線も1973年に運行を終了しました。横荘線の廃止によって、周辺交通に与えた影響は大きく、代替交通手段として羽後交通のバス路線が運行されることになりました。

現在、横荘線が結んでいた区域では、バスによる整備された交通体系が整えられ、横手と本荘を結ぶバス路線が運行されています。かつての鉄道のルートは変更されている点に留意が必要です。

まとめ

横荘線は、秋田県の地域交通を支える重要な鉄道路線でしたが、様々な要因によってその歴史を閉じました。歴史的意義や地域への影響を考えると、廃止された路線としての記憶は、地元の人々にとっても大切な存在と言えるでしょう。これらの経緯を知ることは、地域の鉄道史や交通の発展を学ぶ一助となります。

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