羽根翠

元女子バレーボール選手 羽根 翠

羽根 翠（はね みどり、旧姓：高橋）は、1980年3月10日生まれ、福島県伊達市（旧霊山町）出身の元女子バレーボール選手である。セッターを中心に、時には攻撃参加もするなど、巧みなプレーでコートを彩り、日本のバレーボール界で確かな足跡を残した選手として知られる。

キャリアの始まり

幼少期からバレーボールに親しみ、両親の影響を受けて小学4年生で本格的に競技を始めた。地元の小国小学校、霊山中学校で基礎を学び、その後、バレーボール強豪校として知られる古川商業高等学校（現在の古川学園高等学校）に進学。ここで全国レベルの選手へと成長を遂げることになる。

高校、大学での飛躍

古川商業高校時代は、当時「ドリーム・ガールズ」と呼ばれたチームの一員として、後の全日本代表選手となる菅山かおる氏（1学年先輩）、同級生の大沼綾子氏、高橋めぐみ氏らと共に強力な布陣を形成した。特に1996年に開催された第27回春高バレー（全日本バレーボール高等学校選手権大会）では、チームの優勝に大きく貢献し、高校バレー界でその名を轟かせた。最終学年ではチームの主将を務め、技術面だけでなく精神的な柱としてもチームを牽引した。

高校卒業後、スポーツの名門である日本体育大学に進学。大学でもトップレベルでバレーボールを続け、学生選抜メンバーとしてユニバーシアード大会に出場するなど、国際舞台での経験も積んだ。

Vリーグでの実績

大学卒業後の2002年、V1リーグ（当時の2部リーグ）に所属していたトヨタ車体クインシーズに入団。すぐにチームの主力選手として定着し、精度の高いトスワークと戦術理解度でチームを支えた。2005年度からは2シーズンにわたりチームの主将を務め、コート内外でリーダーシップを発揮し、若手選手を引っ張りながらチームの強化に尽力した。

2006年は、羽根選手にとってキャリアのハイライトとも言える年となった。主将としてチームを牽引し、第8回V1リーグでトヨタ車体クインシーズを創部以来初の優勝へと導いた。この大会では個人としても圧倒的なパフォーマンスを見せ、最優秀選手賞とスパイク賞という二冠を達成した。このV1リーグ優勝の勢いをそのままに、V・プレミアリーグへの入れ替え戦に臨み、茂原アルカスを見事に下し、チームを初のプレミアリーグ昇格へと導く最大の功労者となった。この昇格は、トヨタ車体クインシーズの歴史における重要な転換点であり、羽根選手の功績は語り草となっている。

全日本代表としての活動

Vリーグでの目覚ましい活躍が評価され、2006年には自身にとって二度目となる全日本代表に選出された（一度目は高校時代の1998年）。同年開催されたワールドグランプリや世界選手権といった主要な国際大会に出場した。特にバレーボール世界最高峰の舞台である世界選手権では、レギュラーセッターをサポートする控えセッターという立場でチームに帯同。試合に出場した際には、冷静沈着なトスワークで攻撃を組み立て、チームの戦術遂行を支える重要な役割を担い、日本の成績に貢献した。

現役引退と新たな挑戦

2009年6月に一度現役を引退することを発表したが、チームの故障者が相次ぎ、セッター不足という緊急事態に直面したため、同年12月には異例の現役復帰を決断した。再び選手としてコートに立ち、チームを支えた後、2011年6月をもって二度目の現役引退を発表し、10年間のトヨタ車体での選手生活に終止符を打った。

選手引退後は、長年所属したトヨタ車体クインシーズに残り、2011年からはマネージャーとしてチームの運営や選手サポートを担う立場に転じた。裏方としてチームを支える重要な役割を担ったが、2016年に同チームを退団し、新たな道を歩み始めた。

主な所属チーム歴

小国小学校
霊山中学校
古川商業高等学校（現：古川学園高等学校）
日本体育大学
トヨタ車体クインシーズ（2002年 - 2011年）

主な球歴・受賞歴

全日本代表：1998年、2006年選出
全日本代表としての主な国際大会出場歴：ワールドグランプリ（2006年）、世界選手権（2006年）
受賞歴：2006年 第8回V1リーグ 最優秀選手賞、スパイク賞

関連情報

* 日本[バレーボール]]リーグ機構の旧サイトにおけるプロフィール（[ウェイバックマシンによるアーカイブ）

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