羽毛田信吾

羽毛田信吾について

羽毛田信吾（はけた しんご）は、1942年4月5日生まれの日本の官僚です。山口県出身で、京都大学法学部を卒業後、厚生省に入省しました。厚生省では、老人保健福祉局長や保険局長などを歴任し、1999年には厚生事務次官に就任しました。2001年に厚生省を退官後、宮内庁に入庁し、2005年から2012年まで宮内庁長官を務めました。

生い立ちと厚生省でのキャリア

幼少期は貧しい生活を送った経験から、社会的な弱者への強い関心を抱き、厚生省に入省しました。キャリア官僚として、老人保健福祉や保険制度の分野で重要な役割を担いました。厚生事務次官を退任後は、宮内庁へと活躍の場を移しました。

宮内庁長官としての活動

宮内庁長官としては、皇室典範に関する有識者会議の結論を支持し、女性天皇や女系天皇を容認する立場を表明しました。また、皇位継承問題については、男系男子による継承を原則とする現行の皇室典範の改正を求める考えを示しました。

2011年には、イギリスのウィリアム王子の結婚式に皇太子徳仁親王と同妃雅子が出席することを発表しました。天皇明仁と皇后美智子が別の行事のため出席できないことを理由に、この人選が適切であることを強調しました。

特例会見問題

2009年12月には、天皇明仁と中国の習近平国家副主席との会見が、特例として急遽決定されました。羽毛田長官は、この会見が天皇の政治利用につながるのではないかという懸念を表明し、「陛下に心苦しい思いでお願いした。二度とこういうことがあってはならない」と述べました。この発言は、当時の民主党幹部や鳩山由紀夫内閣総理大臣（当時）から批判を受けましたが、宮内庁には羽毛田長官の発言を支持する多くの意見が寄せられました。

略歴

1961年：山口県立萩高等学校卒業
1965年：京都大学法学部卒業、厚生省入省
1999年：厚生事務次官
2001年：厚生省退官、宮内庁次長
2005年：宮内庁長官
2012年：宮内庁長官を依願退官
2013年：昭和館館長

著作

『随筆集　言うて詮なきことの記』（国書刊行会、2020年1月）

論文

* 国立情報学研究所収録論文

まとめ

羽毛田信吾は、厚生省と宮内庁で要職を歴任した官僚です。社会的な弱者への関心と、皇室典範に関する議論に積極的に関わったことで知られています。特に、特例会見問題での発言は、大きな議論を呼びました。彼のキャリアは、日本の行政と皇室の関わりについて考える上で、重要な示唆を与えています。

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