国書刊行会

株式会社国書刊行会について

株式会社国書刊行会（KOKUSHOKANKOKAI INC.）は、東京・板橋区に本社を構える日本の出版社です。1971年の設立以来、学術書籍や海外文学、幻想文学など多様なジャンルの出版を行っています。設立当初は印刷業を営んでいましたが、出版社からの依頼で復刻版の印刷を手掛ける中で、出版業への道を歩み始めました。

歴史と主な事業内容

国書刊行会は設立時から学術資料書籍の復刻出版を目指し、特に神道や仏教の原典を中心にした書籍の出版を進めてきました。また、国文学や国史に関連する学術資料も手掛けており、これらの分野での専門性が高いことが特徴です。1960年代から1970年代にかけては、国書刊行会が手掛けた復刻版『明月記』や『玉葉』で事業を開始しました。

1975年から始まった「世界幻想文学大系」は、海外の文学作品やミステリー、SF小説の翻訳を行うことで、一般の読者にも知られるようになりました。このプロジェクトは、紀田順一郎と荒俣宏が提案し、国書刊行会の社長の支持を受けて実現されました。このシリーズによって、国書刊行会は1976年度に日本翻訳出版文化賞を受賞しました。

国書刊行会は、美術書や大規模な企画の出版も行っており、特に西洋美術や日本の美術史に関連する画集も多く出版しています。また、仏教書を手がける過程で、僧侶向けの物品を販売する部署も一時存在し、今では珍しい商品も扱っていました。

2012年からは、温泉の熱を利用した「バイナリー発電」事業にも取り組んでおり、釧路管内での活動が報告されています。この発電プロジェクトでは、97度の源泉から得られる熱を使い、最大出力100キロワットを実現しています。

出版シリーズの展開

国書刊行会では、様々な出版シリーズがあります。代表的なものには、以下のような著作群が含まれます:

• - 学術資料シリーズ：『新纂大日本続蔵経』全90巻や『東京裁判却下未提出資料集』などがあります。
• - 海外文学シリーズ：『世界幻想文学大系』や『ゴシック叢書』など、特に幻想文学やオカルト関連の翻訳本は多くの読者に支持されています。
• - 日本文学シリーズ：江戸文庫や沖縄文学全集など、地域に根ざした作品の収集も行っており、文化遺産を次世代に伝える役割を果たしています。

新たなメディアの導入

2013年には初のDVDとして「天才執事ジーヴス」を発売しました。これにより、国書刊行会は書籍のみならず、映像メディアへの展開も図っており、出版社としての幅広い活動を続けています。

関連企業と影響

国書刊行会の一部から独立した出版社も存在し、水声社や彩流社などがあります。これらの企業でも、国書刊行会の影響を受けた作品が出版されており、相互に文化的な影響を与え合っています。

国書刊行会は、これからも日本の文学や学術の発展に寄与し続けることでしょう。独自の視点で作品を世に送り出し、多様な文化的な価値を広める役割を担っています。

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