羽賀寺

羽賀寺について

羽賀寺（はがじ）は、福井県小浜市にある高野山真言宗に属する寺院であり、鳳聚山という山号を持ちます。この寺院の本尊は十一面観音で、平安時代初期に作られたと伝えられています。羽賀寺は豊かな歴史を背景に持っており、地域の文化や宗教における重要な役割を果たしてきました。

歴史

羽賀寺の創建は、霊亀2年（716年）に遡るとされ、元正天皇の勅願により行基によって設立されたと伝えられています。その後、羽賀寺は最盛期において18もの子院を持つ大寺院となりましたが、その後、947年に発生した洪水により多くの院が流出。歴史の中で幾度も修復や再建を経て、様々な守護者の加護を受けてきました。中世には細川氏の支援を受けるなどして繁栄を続けましたが、元弘の乱の際に焼失。その後、1359年には再建され、1398年にも再度の焼失を経験しながらも1436年に安倍康季によって再興されました。

羽賀寺が真言宗に改宗したのは宝徳2年（1450年）で、それ以前は天台宗に属しており、青蓮院門跡の末寺でした。2015年には、若狭地域の文化遺産群の一部として「日本遺産」に認定されています。

伽藍と境内

羽賀寺の本堂は、室町時代中期にあたる文安4年（1447年）に建立され、現在もその姿を保っています。本堂は桧皮葺の入母屋造りで、全体的に北山文化の様式が反映されており、その特徴的な勾配を持つ屋根が印象的です。内陣と外陣は明確に区別されており、密教様式が色濃く残っています。1962年には、国の重要文化財に指定され、1966年には解体修理が完了しました。

文化財

羽賀寺には、いくつかの重要文化財があり、その中でも特に注目されるのは「木造十一面観音菩薩立像」です。この像は、10世紀初期に制作されたもので、高さ146.4cm。檜の一木造で、平安前期の様式を色濃く残す美しい造形が特徴です。本像は、当初の彩色がほぼ完全に保たれている点も価値があり、若狭の仏像の中でも特に知名度があります。

また、「木造千手観音菩薩立像」や「木造毘沙門天立像」なども存在し、それぞれが異なる時代や様式を反映しています。これらの仏像は、羽賀寺の文化的価値を高めるものであり、多くの訪問者に敬愛されています。

アクセス

羽賀寺へのアクセスは、JR小浜線の東小浜駅から車で約30分の距離にあります。地域の文化や歴史を感じることができるこの寺院は、参拝者にとって魅力的な訪問先となっています。歴史の重みを感じながら、静かな境内で心を落ち着けることができるでしょう。

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