羽-hane-

羽 -hane-

『羽 -hane-』（はね）は、日本のシンガーソングライター、KOTOKOがメジャーレーベルから初めてリリースしたスタジオアルバムです。2004年に発表された本作は、彼女にとって記念すべきメジャーデビュー作品となりました。

アルバム概要

本作には先行シングルは収録されていませんが、KOTOKOがインディーズ時代に自主制作で発表していたCDに収められていた楽曲群が、新たにレコーディングされ、アルバムの核を成しています。アルバム全体としては、一曲ごとの演奏時間が比較的長く、特に7分を超える楽曲が4曲も含まれている点が特徴的です。また、全体的にスローテンポの楽曲が多くを占め、独自の空気感を醸し出しています。

初回盤はファン向けの特別な仕様となっており、タイトル曲である「羽」のプロモーションビデオやその制作過程を追ったメイキング映像が収録されたDVDが付属しました。さらに、パッケージはスリーブケース仕様で提供され、コレクターズアイテムとしての魅力も兼ね備えていました。

米国でのリリース

このアルバムは海を渡り、2006年6月20日には「HANE」というタイトルでアメリカ合衆国でも発売されました（品番: PIO5343）。米国盤の収録曲は日本盤と同一ですが、楽曲やアルバムのタイトルは英語に翻訳されています。歌詞カードには、日本語歌詞のローマ字表記に加え、英語対訳が掲載されており、現地のリスナーにも配慮された仕様でした。ただし、日本盤の初回限定版に付属していた特典DVDは、米国盤には含まれていません。発売当時、「HANE」はアメリカで正規に入手可能なKOTOKOの唯一のアルバムでした。

チャート成績

商業的な側面では、本作は一定の成功を収めました。2004年5月3日付のオリコン週間アルバムチャートでは、初登場で7位を記録しています。発売初週の売上は30,503枚を記録し、累計では40,383枚のセールスを達成しました。

楽曲解説

アルバムに収録された各楽曲には、様々な背景やエピソードが存在します。

Introduction: アルバムの始まりを告げるインストゥルメンタル曲です。
Asura: タイトルは仏教における阿修羅を意味しています。
冬の雫: 初回盤特典DVDには、この曲のレコーディング風景の一部が収められています。
疾風雲: KOTOKOのインディーズ時代の作品「空を飛べたら…」や「hitorigoto」にも別テイクで収録されており、本作での収録は通算3回目となりました。
Gratitude ～大きな栗の木の下で～: 曲のタイトルは、KOTOKOの実家にあった栗の木に由来しています。本人からは「裏タイトル曲」とも呼ばれており、彼女のレギュラーラジオ番組「KOTOKOノコト」では初代オープニング曲として親しまれました。
痛いよ: KOTOKO本人が「特に女の子にぜひ聴いてほしい」とコメントしている楽曲です。
ひとりごと: 「hitorigoto」からの再録曲ですが、アルバム収録にあたり歌詞が一部変更されています。この曲は「KOTOKOノコト」の記念すべき初回放送で最初にオンエアされました。
声が届くなら: 本人曰く、「歌詞があまりにストレートすぎて、書いた自分でも恥ずかしい」「まるで全裸を見られているような気分」と語るほど、内面を率直に表現した楽曲です。
Lament: I've Girls compilation Vol.4のタイトル曲と同じ名前ですが、本作に収録されているのはコンピレーション盤とは異なる音源バージョンです。
羽: アルバムのタイトルを冠するこの曲は、「Anime TV」のエンディングテーマとして使用されました。自主制作CD「空を飛べたら…」にも収録されており、I'veの歌姫として約4年間の活動を経てきたKOTOKOの歩みと成長の集大成として位置づけられています。
* カナリヤ -SORMA No.3 Re-mix-: 「空を飛べたら…」に収録されていた「カナリヤ」のリミックスバージョンです。KOTOKO本人は、この曲をアルバム全体の締めくくり、いわば「エンドロールにあたる曲」だと表現しています。

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