翁英作戦

翁英作戦の概要

翁英作戦（おうえいさくせん）は、日中戦争（支那事変）の最中、1939年12月24日から1940年1月14日までの間に広東省で行われた日本陸軍の大規模作戦です。この作戦は、日本軍第21軍が広州の北方にある翁源および英徳に進攻し、中国軍に対して打撃を与え、撤退することを目指しました。

背景

1938年秋に実施された広東作戦の結果、日本軍は広州周辺の限られた地域を支配していました。しかし、1939年8月下旬に中国軍第12集団軍（指揮官：余漢謀）による夏季攻勢が始まり、日本軍は防衛に追われる羽目になりました。このため、余漢謀軍を壊滅させ、彼らの根拠地である韶州への攻撃を強化する必要が生じたのです。

また、この作戦には、汪兆銘を利用した第4戦区軍（指揮官：張発奎）の弱体化を図る意図もありました。この目的で新しい政権の構築を目指しましたが、進展はあまり見られませんでした。これにより最初の期待が薄れると、作戦の焦点は余漢謀軍への攻撃に戻りました。しかし、大本営からの承認や大量の支援物資の供給があったため、作戦は実施される運びとなりました。

準備と攻撃

11月20日、日本軍は作戦準備を整え、第104師団の西山支隊（指揮官：西山福太郎少将）が粤漢線沿いを北上しました。この行動により、中国軍の目を引きつけることが目的でした。この作戦に対抗して、中国軍は12月17日から西山支隊に対して攻撃を仕掛けましたが、日本軍はこれを成功裏に撃退しました。

12月20日までに、第104師団の主力部隊や第18師団、近衛混成旅団が攻勢の開始位置に集合しました。しかし、この日、南寧方面での戦況が悪化したため、作戦規模は縮小されました。12月24日に攻撃が開始され、作戦は順調に進行しました。この際、もともとの目標が韶州から翁源へと変更されました。

結果と影響

第18師団は12月29日に翁源を占領し、次いで第104師団が12月30日に英徳を攻略しました。その後、部隊は反転を開始しました。記録によると、交戦した中国軍兵力は約122,930人、遺棄された死体は16,312体、捕虜は1,196人でした。日本軍の戦果は、戦死293人、戦傷1,281人とされています。

その後、作戦に参加した近衛混成旅団と第18師団は海路で欽県へ輸送され、1月下旬から賓陽作戦に参加しました。

結論

翁英作戦は、日中戦争における重要な軍事行動の一つであり、その結果が両国に与えた影響は大きいものでした。日本軍はこの作戦を成功させ、さらなる攻勢への足掛かりとしました。

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