翼 (アルバム)

アルバム『翼』の概要

『翼』（つばさ）は、2002年4月17日にリリースされた、谷山浩子の28作目の音楽アルバムです。この作品は、前年の9月にアメリカで発生した同時多発テロ事件が影響を与えています。特に、同事件の後に制作された楽曲がいくつか含まれており、社会的なメッセージが込められています。

テーマと制作の背景

このアルバムの中でも特に『学びの雨』と『ゆりかごの歌』は、テロ事件後の混沌とした時代背景を反映しています。『学びの雨』は、テレビで報じられたアフガニスタンの子どもたちの姿に感銘を受けた谷山が作り上げた楽曲です。この曲を制作する過程で、デザイナーにその経緯を伝えたところ、アルバムのジャケットには、その際に子どもたちの写真が使用されることになりました。

収録曲の紹介

アルバムにはつながりのある様々な楽曲が収録されており、それぞれに独自の魅力が詰まっています。

• - 学びの雨: 作詞・作曲を谷山が、編曲を石井AQが手がけています。感動的なメッセージを持つこの曲は、アフガニスタンの情景を描写しています。
• - 星より遠い: もともと沢田聖子に提供された曲で、彼女のバージョンが後にリリースされました。
• - 人がたくさんいる: 日常の一コマを描いた楽曲で、シンプルながら深いメッセージを放っています。
• - パタパタ: 権威あるシンガーソングライター岩男潤子が作詞を提供し、谷山が楽曲を作ったコラボレーションです。
• - 向こう側の王国: 想像力豊かな内容で、リスナーを非日常へと誘います。
• - ウミガメスープ: ルイス・キャロルの童話『不思議の国のアリス』からインスパイアを受け、矢川澄子による日本語訳の詩に谷山が曲をつけました。
• - 電波塔の少年: 現代的なテーマを持つ楽曲で、若者の葛藤を表現しています。
• - 洗濯かご: 日常をテーマにしたコミカルな楽曲で、聴く人に微笑みをもたらします。
• - ゆりかごの歌: 子守唄的な要素を持つ美しいメロディにのせて、穏やかなメッセージを届けます。
• - カタツムリを追いかけて: 自然と子どもの遊び心をテーマにした楽曲で、心温まるイメージがあります。

まとめ

『翼』は、谷山浩子の音楽キャリアの中でも特に意義深い作品です。社会的な背景を抱えながらも、さまざまな情景や思いを音楽で表現する彼女の才能が光ります。リスナーに深い感動を与えつつ、聴く人々にやさしい翼を広げるようなアルバムとなっているのです。

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