翼賛政治体制協議会

翼賛政治体制協議会について

翼賛政治体制協議会（略称：翼協）は、日本の歴史に刻まれた特殊な政治団体であり、1942年2月23日に設立されました。この団体は、特に第21回衆議院議員総選挙を推進するために重要な役割を果たしました。

背景と設立の経緯

この団体の設立は、第二次近衛内閣の時期に遡ります。1940年まで、すでに多くの結社は解散を強いられており、唯一残されたのは勤労国民党や右翼政党の一部のみでした。しかし、1940年10月に大政翼賛会が成立すると、これに賛同する形で多くの政治家が合流しました。これにより、翼賛議員同盟が結成され、軍部の指針に従う「翼賛体制」が確立されました。

また、1941年には衆議院議員の任期が一律に短縮されていたため、選挙の実施が急務となっていました。ところが、当時の状況は戦局に影響を受けており、1942年に行われる予定の衆議院選挙に備えて、内閣は候補者推薦の制度を制定する決議を下しました。これは政府による候補者推薦が選挙干渉と見なされる可能性があったため、別の政治団体による手法が必要とされました。

翼賛政治体制協議会の設立

こうして、1942年2月23日に翼賛政治体制協議会が設立されることとなります。この会議は、軍部や財界から多くの代表者が集結し、政治的な推薦に関する議論を行いました。そして、元内閣総理大臣の阿部信行が会長に就任し、内務省に対して所定の届出を行いました。これにより、体裁的には自発的な運動であるかのように装うことができました。

さらに、翼協は地方単位で支部を設け、地元の有力者を支部長として任命しました。この時、選挙資金の支援も受けられ、426名に及ぶ候補者が推薦されました。これにより、若干の候補者が政府の後ろ盾を得て選挙戦に臨むことになりました。

選挙戦と結果

1942年4月30日の投開票では、翼協による推薦を受けた候補者が381名も当選を果たし、その時点での目的を達成することに成功します。この結果を受けて、翼賛政治体制協議会は多くの支持を集め、そのまま解散しました。

結論

翼賛政治体制協議会は、特に太平洋戦争中の日本において、重要な政治的役割を担った団体として知られています。その成立と活動は、国家の政治体制を維持する一翼を担い、歴史的な意義を持つものとされます。その後の政治情勢に与えた影響も少なくありません。

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