耳から白い糸

耳から白い糸

「耳から白い糸」は、ピアスの穴にまつわる都市伝説の一つで、特に若い世代を中心に広まりました。ピアスの穴から白い糸が出てきて、それを引っ張ると失明するという内容で、恐怖を煽るストーリーが特徴です。

ストーリーの概要

典型的なストーリーは以下の通りです。

1. ピアスの穴から白い糸が出ているのを発見する。
2. 好奇心や不安から、その糸を引っ張ってしまう。
3. 糸が突然切れ、直後に視力を失う。
4. 糸の正体は視神経であり、切断されたために失明したと説明される。

この話には様々な派生系があり、「脳幹神経の一部を引っ張り出してしまった」というものや、「失明した人がピアスをしている人の耳を噛む『かじり女（カオルさん）』になった」というものも存在します。

医学的な検証

この都市伝説は、医学的には全く根拠がありません。

ピアスの穴開けと失明：専門的な知識を持った人が清潔な器具を用いてピアスを開ければ、失明するような事態は起こりえません。
視神経の位置：視神経は脳と直接繋がっており、耳たぶには通っていません。したがって、耳のピアス穴から視神経が出てくることはあり得ません。
視神経の太さ：視神経はタコ糸程度の太さがあり、小さなピアス穴から露出することは考えにくいです。

東洋医学的な解釈について

「東洋医学の目に関係するツボが耳に存在するため」という説明が試みられることもありますが、ツボの位置は流派によって異なり、科学的に立証することも困難です。また、ツボを刺激することで失明に至ったという事例は確認されていません。

白い糸の正体

ピアスの穴から白いものが出てくることがありますが、これは角栓や粉瘤腫の中身である可能性が高いです。これらは皮膚の老廃物や皮脂が固まったもので、医学的には問題ありません。

都市伝説の背景

この都市伝説が広まった背景には、ピアスに対する偏見があったと考えられます。「ピアス＝不良」というイメージを持つ親や教師が、子供たちにピアスの危険性を誇張するためにこの噂を利用したことが、広範囲に流布した原因であるという指摘もあります。

関連作品

この都市伝説は、様々な作品に影響を与えています。

グラップラー刃牙：登場人物・鎬 昴昇の必殺技「紐切り」は、この都市伝説から着想を得ています。
地獄先生ぬ〜べ〜：第18巻158話「糸が出た!」でこの都市伝説が触れられています。
渋谷怪談 サッちゃんの都市伝説：第7話「耳たぶの白い糸」でこの都市伝説が題材として扱われています。

まとめ

「耳から白い糸」は、医学的な根拠のない都市伝説であり、ピアスの危険性を誇張するために広められた可能性があります。この話は、恐怖心を煽ることで人々の記憶に残りやすく、様々な作品に影響を与えています。しかし、科学的な知識を持つことで、このような噂に惑わされることなく、安全にピアスを楽しむことができます。

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