耽美夢想マイネリーベ

『耽美夢想マイネリーベ』は、2001年にコナミから発売されたゲームボーイアドバンス用恋愛シミュレーションゲームです。少女漫画家・由貴香織里がキャラクターデザインを担当し、その耽美な世界観が話題となりました。

ゲームの特徴

ストーリー

舞台は1930年代のクーヘン王国。主人公は、ローゼンシュトルツ学園に通う少女となり、2年間の学園生活を送ります。学園には、将来国家を支えるエリート候補生「シュトラール」が在籍しており、主人公は彼らとの交流を通して恋愛を育んでいきます。卒業パーティーで意中の男性からダンスを申し込まれることがゲームの目的です。

システム

本作は、『ときめきメモリアル』シリーズと同様のシステムを採用しており、「爆弾」と呼ばれるシステムも存在します。キャラクターとの関係が悪化すると「爆弾」が発生し、他のキャラクターとの関係にも影響を与えるため、注意が必要です。

続編

続編の『マイネリーベII〜誇りと正義と愛〜』では、革命が勃発し、物語は大きく展開します。プレイヤーは様々な立場で物語を体験し、真相を解き明かす必要があります。前作とは異なる主人公と新キャラクターが登場し、アニメ版の画風が取り入れられています。

メディア展開

ゲームの発売後、『マイネリーベ』は様々なメディアで展開されました。

漫画: 少女漫画雑誌『別冊花とゆめ』で伊沢玲による漫画版が連載されました。
アニメ: TVアニメ『吟遊黙示録マイネリーベ』が放送され、ドラマCDも発売されました。
PS2移植: キャラクターボイスを追加し、演出を強化したPS2版『マイネリーベ〜優美なる記憶〜』が発売されました。

続編である『マイネリーベII』もPS2で発売され、新たなキャラクターが追加されました。また、TVアニメの続編『吟遊黙示録マイネリーベwieder』も放送されました。

登場人物

主要キャラクター

オルフェレウス: シュトラールのリーダー。芸術を愛する穏やかな性格。
エドヴァルド: スポーツと音楽を愛する明るい性格。オルフェレウスの親友。
ルードヴィッヒ: クールな性格で、世界を支配する野望を持つ。
石月ナオジ: 日本からの留学生。温厚な性格で、文学を好む。
カミユ: 体が弱く、未来を予知する能力を持つ。
アイザック: 夏休みに登場する謎の男性。その正体はイギリスのスパイ。

女性キャラクター

ヴェルヘルミーネ: 大企業の娘で、明るく優しい性格。
マリーン: 公爵家のお嬢様で、いつもウサギの人形を抱いている。
オーガスタ: 貴族の令嬢で、男勝りな性格。
フランシス先生: ローゼンシュトルツ学園の女校医。

開発秘話

当初の仮タイトルは「優美精神論マイネリーベ」でしたが、「精神論は社会的に良くない」という指摘から「耽美」という言葉が採用されました。また、「美少年誘惑」というジャンルは、上層部に面白がられたことがきっかけで採用されました。

キャラクターデザインには、耽美な世界観を描ける由貴香織里が起用されました。ゲームシステムは『ときめきメモリアル』シリーズを参考にしつつ、作品に合わせてバランスが調整されました。

評価

本作に登場する女性キャラクターたちは、悪役令嬢としてみなされることがあります。しかし、実際にはゲーム開始時から主人公と友人関係を築くことができ、ストーリー上の描写というよりは『ときメモ』譲りの「爆弾」システムに恐ろしさがあると評されています。

用語解説

クーヘン王国: フランス西部の海域に浮かぶ島国。立憲君主制で、人口は約1700万人。
ローゼンシュトルツ知的教育高等学園: クーヘン王国西部に存在する名門学園。男子学生には、シュトラールクラスと呼ばれる特別学級が存在します。

スタッフ

ディレクター: 佐々木美恵
キャラクターデザイン: 由貴香織里
シナリオ: 芳野未来、こすげまみ

耽美夢想マイネリーベ