聖ネデリャ教会襲撃事件

1925年4月16日、ブルガリアの首都ソフィアにある聖ネデリャ教会で、痛ましいテロ事件が発生しました。この事件は「聖ネデリャ教会襲撃事件」として知られ、ブルガリア共産党（BKP）によって周到に計画、実行されました。

事件の発端は、その2日前にブルガリアの著名な国会議員であり、将軍でもあったコンスタンティン・ゲオルギエフが暗殺されたことに遡ります。ゲオルギエフ将軍の国に対する貢献は大きく、彼の死はブルガリア社会全体に深い悲しみをもたらしました。4月16日、彼の葬儀が聖ネデリャ教会で執り行われることになり、多くの政府高官、軍関係者、そして一般市民が参列しました。

午後3時、葬儀が厳粛に進められている最中、突如として教会内に轟音が響き渡りました。それは、教会の屋根裏に仕掛けられた大量の爆弾が爆発した音でした。爆弾は、教会の主ドームを支える柱の真上に設置されており、その威力は凄まじく、柱は破壊され、聖堂は崩壊しました。

この爆発により、教会に参列していた多くの人々が巻き込まれました。その場で命を落とした者は、将軍や前大臣を含む150人に達し、首相や内相を含む500人以上が重軽傷を負いました。教会は一瞬にして瓦礫の山と化し、あたりは悲鳴と怒号に包まれました。

事件後、ブルガリア政府は直ちに捜査を開始し、ブルガリア共産党が事件の首謀者であることを特定しました。共産党は、政府要人を一掃し、共産主義政権を樹立しようと企てていたとされています。この事件をきっかけに、ブルガリア国内では共産主義者に対する弾圧が強化され、多くの共産党員が逮捕、処刑されました。

聖ネデリャ教会襲撃事件は、ブルガリアの歴史において最も悲惨なテロ事件の一つとして記憶されています。この事件は、政治的な対立が暴力に発展し、無辜の市民を巻き込むことの悲劇を物語っています。また、この事件は、社会の安定と平和の重要性を改めて認識させられる出来事となりました。

もう一度検索