聖ネデリャ教会

聖ネデリャ教会

聖ネデリャ教会は、ブルガリアの首都ソフィアに位置するブルガリア正教会の教会であり、ソフィア主教区の聖堂として重要な役割を担っています。その歴史は深く、幾度もの破壊と修復を経て、現在の姿に至っています。

歴史

教会の初期の歴史は、多くが謎に包まれています。10世紀頃に建設されたと考えられており、ソフィア市内の他の教会とは異なり、石造の基礎と木造の建築様式が用いられています。この木造部分は、19世紀半ばまでそのままでした。1578年には、ドイツの旅行者ステファン・ゲルラッハが教会を訪れ、その様子を記録しています。

1460年頃、セルビア王ステファン・ウロシュ2世ミルティンの遺品がブルガリアに運ばれ、聖ネデリャ教会を含む様々な教会や修道院に保管されました。18世紀には、これらの遺品は聖ネデリャ教会に移され、司祭たちの住居として利用されました。教会は19世紀後半から20世紀初頭にかけて「聖王」とも呼ばれるようになります。

1856年4月25日、教会は拡張と威厳を高めるために取り壊され、同年夏には奥行き35.5メートル、幅19メートルの新たな教会の建設が始まりました。しかし、1858年の地震により工事が遅延し、完成は1863年までずれ込みました。竣工後、1867年5月11日には2万人の観衆を集めて公式な開所式典が開催されました。1879年には、コルサコフ皇太子から贈られた8つの鐘を収容するための鐘楼が新設されました。

1898年には、教会にドームが追加される改築が行われました。1915年には、ブルガリア王ヨーゼフ1世がこの教会に埋葬されています。しかし、1925年にはブルガリア共産党による聖ネデリャ教会襲撃事件が発生し、教会は倒壊し、150人以上が犠牲となりました。襲撃後、1927年から1933年にかけて教会は修復され、ほぼ新築同様に再建されました。この修復により、教会は長さ30メートル、幅15.5メートルとなり、中央ドームの高さは31メートルに達しました。戦禍を免れた金箔の聖像も教会に戻されました。

1971年から1973年にかけて、ニコライ・ロストフツェフ率いるチームによって壁面装飾が施されました。1992年から1994年には床が改装され、北側のコロネードにはガラスがはめ込まれました。2000年には正面ファサードが徹底的に清掃され、2002年には11個の鐘（コルサコフ皇太子からの贈物8個、セルビア製2個、ブルガリア製1個）に自動演奏装置が取り付けられました。

現在の聖ネデリャ教会は、ソフィアのランドマークとして、またブルガリア正教の重要な聖地として、多くの人々に崇敬されています。その壮麗な建築と悲劇的な歴史は、訪れる人々に深い印象を与え続けています。

ギャラリー

[聖ネデリャ教会の写真1]
[聖ネデリャ教会の写真2]
[聖ネデリャ教会の写真3]

参考文献

Tsarkoven vestnik. The St Nedelya Sofia cathedral by Dr. Hristo Temelski.

外部リンク

聖ネデリャ教会、沿革 (ブルガリア語)

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