聖ビンセンシオ・ア・パウロの愛徳姉妹会

聖ビンセンシオ・ア・パウロの愛徳姉妹会（Filles de la charité de Saint Vincent de Paul）は、17世紀にフランスで誕生したカトリック教会の女子修道会です。本部をパリに置き、会員は「貞潔」「清貧」「従順」、そして「貧しい人々への奉仕」という四つの誓いを立て、毎年更新することで、イエス・キリストへの献身を深めていくことを目的としています。

沿革

愛徳姉妹会は、1633年11月29日に聖ビンセンシオ・ア・パウロとルイーズ・ド・マリヤックによって設立されました。1668年6月8日には、教皇クレメンス9世によって正式に認可されています。

当時の修道会は、認可を受けると修道者は社会から隔離された生活を送ることが義務付けられていました。そのため、街や村で人々のために働くことは難しい状況でした。しかし、聖ビンセンシオは、シスターたちが貧困に苦しむ人々のもとへ自由に赴き、支援活動を行えるよう、従来の修道会とは異なる新しい形態の会として、教皇から使徒的生活の会としての認可を得ました。この認可により、愛徳姉妹会は社会に開かれた修道会として、独自の活動を展開していくことが可能になったのです。

日本における活動

かつて存在した愛徳姉妹会の日本管区は、神戸市垂水区舞子に拠点を置いていました（現在のジャパン・ミッション本部）。

1933年には、フランスから4名の会員が初めて日本に派遣され、活動を開始しました。この活動が、現在の「聖家族の家」の始まりとなっています。

関連人物

カトリーヌ・ラブレ：愛徳姉妹会出身
ジュスティーヌ・ビスケイブリュ：愛徳姉妹会出身

愛徳姉妹会は、創立者である聖ビンセンシオ・ア・パウロの精神を受け継ぎ、現在も世界各地で貧困に苦しむ人々への支援活動を続けています。その活動は、教育、医療、福祉など多岐にわたり、社会のニーズに応じた柔軟な対応を行っています。日本においても、長年にわたり、社会福祉の分野で貢献してきました。今後も、愛徳姉妹会は、人道的精神に基づき、困難な状況にある人々への支援を続けていくことでしょう。

もう一度検索