聖剣の刀鍛冶

聖剣の刀鍛冶

『聖剣の刀鍛冶』（せいけんのブラックスミス、The Sacred Blacksmith）は、三浦勇雄によるライトノベル作品。イラストは屡那が担当し、MF文庫J（メディアファクトリー）から2007年11月から2013年8月にかけて刊行されました。略称は「聖剣」です。

2009年12月時点でシリーズ累計部数は150万部を突破し、「電子書籍アワード2013」ライトノベル部門では7位を獲得しました。

2009年には山田孝太郎によって漫画化され、『月刊コミックアライブ』2009年5月号から2017年3月号にかけて連載されました。また、同年10月からはテレビアニメが放映され、関連ラジオ番組も同年9月より放送されました。

本作は「刀」や「鍛冶」、「鍛冶職人（刀工）」をテーマにしており、作者の三浦勇雄は執筆にあたって取材を行い、その設定に準拠しています。

あらすじ

物語は、元貴族令嬢で騎士団員のセシリー・キャンベルが、父から受け継いだ古い剣を鍛え直してくれる鍛冶屋を探しているところから始まります。街中で暴れていた男を剣で撃退した際に出会ったのは、鍛冶屋を営む青年ルーク・エインズワースでした。ルークの助手リサや、訳あって警護することになった魔剣「アリア」との出会いを通じて、セシリーは聖剣とヴァルバニルを巡る争いに巻き込まれていきます。

運命に翻弄され、芽生え始めた恋心に戸惑いながらも、セシリーはルークやリサとの絆を深め、一人の騎士として、また一人の女性として成長していく姿が描かれています。

主要登場人物

セシリー・キャンベル (Cecily Cambell)

声 - 藤村歩

本作の主人公。三番街自衛騎士団に所属する16歳の活発な少女で、代理契約戦争で活躍した元貴族キャンベル家の現当主です。ルークの打つ刀に惚れ込み、自分用の刀を依頼しようと工房「リーザ」に通っています。正義感が強くお人好しな性格で、困難に果敢に立ち向かいます。

物語が進むにつれてルークに恋心を抱くようになります。当初は戦闘能力が低いものの、アリアとの連携やルークの指導によって実力をつけていきます。

ルーク・エインズワース (Luke Ainsworth)

声 - 岡本信彦

工房「リーザ」の刀鍛冶職人で、17歳のクールな美男子。聖剣を打つ修行をしています。過去の出来事から人と積極的に関わろうとしませんが、セシリーとの出会いをきっかけに変化していきます。普段は生活用品の修理で生計を立てていますが、刀鍛冶として「聖剣」を生成する使命を担っています。

リサと共に「魔剣精製」によって「魔刀」を生み出すことができますが、魂を消費するという代償を伴います。物語が進むにつれてセシリーに惹かれていきますが、寿命が短いことを自覚しているため、その想いを秘めています。

リサ (Lisa)

声 - 豊崎愛生

工房「リーザ」でルークの助手をしている少女。リーザの事件で生まれた悪魔で、見た目は13歳程度ですが、実年齢は3歳です。動物と会話することができます。ルークの世話役であり、家事全般を担当しています。ルークとは距離を置いていましたが、セシリーとの出会いをきっかけに徐々に近づいていきます。ルークとともに魔刀を生み出す能力を持っています。

ルークがセシリーを好きだということに気づいており、二人の恋を応援しています。物語が進むにつれ、刀鍛冶としての技術も習得していきます。

アリア (Aria)

声 - 豊口めぐみ

美麗な女性の姿をしている魔剣。セシリーの相棒であり、魔剣に戻った際の形状はレイピアです。快活で人懐っこい性格のため、市民にも受け入れられています。風を操る能力を持ちます。セシリーの言葉を受け入れ、彼女を支える力となります。しかし、交易都市防衛戦で魔力を酷使しすぎたために剣としての寿命を迎え、変化できなくなってしまいます。

その他の登場人物

ハンニバル・クエイサー: 三番街自衛騎士団の団長。セシリーの上司であり、頼れる存在。
ヒューゴー・ハウスマン: 独立交易都市の市長。市民からの信頼が厚い。
レジナルド・ドラモンド: セシリーの同僚。
パティ・ボルドウィン: セシリーの同僚であり友人。

用語解説

聖剣: ヴァルバニルを封印する力を持つ剣。
魔剣: 悪魔の力を持つ剣。
ヴァルバニル: かつて大陸を恐怖に陥れた人外。
刀鍛冶（ブラックスミス）: 優れた技術を持つ刀鍛師。

アニメ

2009年10月から12月までテレビアニメが放送されました。アニメーション制作はマングローブが担当しました。

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