聖化 (プロテスタント)

聖化の概念

聖化（Sanctification）とは、神の聖霊の働きによって人間が罪から救われ、神の聖性にあずかるプロセスを指します。この概念は、プロテスタントとカトリックで異なる視点が存在します。プロテスタントでは、信仰者がキリストの贖いを通じて義とされ、神の御像に一歩近づく転機的な過程とされています。一方、カトリック教会では、このプロセスを「成聖」と呼び、神の聖さへの参加を重視します。

聖化の語源と意味

「聖化」という言葉は、ギリシャ語の「ハギアスモス」に由来します。この言葉は、聖なる状態に至る過程を強調しつつ、同時に聖なる状態そのものも含んでいます。特に、「ハギアゾー」という動詞は、「聖別する」という意味を持ち、時代とともに「純化する」という意味も加わりました。

聖化過程において、特に重要なのは「聖」とは何かということです。人間にとって「聖」は、聖化という過程を経て得られる状態であり、このプロセスは生涯にわたって続きます。しかし、神の聖は本質的なものであり、「ハギオテース」という言葉で明確に表現されます。

ウェスレアン神学における聖化

ウェスレアン神学、特にメソジズムでは、聖化は生涯にわたる重要なプロセスとされていますが、その中でも「全的聖化」という瞬時の転機的経験に重点が置かれています。この「全的聖化」は、ジョン・ウェスレーによって提唱されたもので、信者がキリストの完全さに近づく瞬間を指します。ただし、この経験が聖化過程全体のすべてを解決するわけではなく、その後も成長が続くことが強調されます。

ウェスレアン神学においては、全ての人が必ずしも全的聖化を経験するわけではなく、個々の進行状況や過去の生き方、性格が影響します。特に家族や過去の環境による「取得された罪の腐敗性」にも注意が向けられます。この考えにより、漸進的な聖化のプロセスは、個人の人格の歪みを修正し、イエス・キリストの姿に成長するための重要な段階とされます。

このように、聖化はただの一瞬の出来事ではなく、信者が信仰に基づいて愛に成長していく生涯にわたるプロセスです。このプロセスは聖霊の働きによるもので、信者が地上で完全となることはないとされています。

結論

聖化は、聖霊の働きによって人間が神に近づくための重要な過程であり、プロテスタントの伝統の中では特に強調されています。それは単に一時的な経験で終わるものではなく、信仰者の生涯における継続的な変化と成長をもたらします。神の聖性にあずかるためには、常にこの聖化のプロセスに取り組むことが求められます。

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