聖土曜日

聖土曜日（せいどようび）

聖土曜日はキリスト教において、復活祭の前日として特に重要な日です。この日は、キリストの受難と死をしのび、多くの教派で独自の伝統が築かれています。特にカトリック教会と正教会では、それぞれ異なる儀式や行事が行われています。

カトリック教会における聖土曜日

カトリック教会では、聖土曜日は『ミサ典礼書』に基づき、主の墓のもとでイエス・キリストの受難と死を思い起こす日となっています。この日、祭壇の装飾はすべて剥ぎ取られ、教会は厳かな雰囲気に包まれます。実際にはミサは行われず、臨終の聖体拝領のみが許されるため、聖体拝領やゆるしの秘跡は特別な場合に限られ、結婚式や葬儀もこの日に行うことはありません。このような慣習は、イエスが眠りについていることを示す象徴です。

正教会における聖大土曜日

一方、正教会では聖大土曜日と呼ばれ、聖金曜日と同じく、キリストの黄泉下りとその死の描写が行われますが、よりポジティブな意味合いが強調されます。この日は、キリストの死への勝利を祝う日とされ、復活の喜びを先取りする重要な意味を持っています。聖堂にはキリストの棺を象る聖像が飾られ、聖母マリアの嘆きを歌った聖歌が奉納されます。また、十字架を崇敬し、勝利した神秘が賛美される場でもあります。

正教会では、早課の福音としてマタイ福音書の27章が朗読され、その後、ハリストスが死に勝利したことを称えるさまざまな聖歌が歌われます。晩課では旧約から15箇所の箇所が選ばれ、創造の業を思い起こしながら、復活が第二の創造であることを記憶します。晩課中に、黒い布に覆われた聖堂はすべて取り去られ、神職者の祭服も紫から白に替えられます。

聖大土曜日の聖体礼儀では、復活の知らせを天使から受け取るマグダラのマリヤの姿が描かれ、特別な二つの福音朗読が行われます。これにより、聖大土曜日は目に見えない領域での出来事について考察する機会を与えています。さらに、正教会では古くから成人洗礼が行われていた日でもあります。

結論

このように、聖土曜日はキリスト教の信者にとって非常に重要な日であり、カトリック、正教会における儀式や行事はそれぞれの信仰のあり方を反映しています。聖土曜日の特別な伝統は、これから迎える復活祭への期待感を高める役割を果たしているのです。

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