聖徳寺 (名古屋市)

聖徳寺

概要

聖徳寺（しょうとくじ）は、愛知県名古屋市天白区に位置する、真宗大谷派に属する寺院です。山号を七宝山（しっぽうざん）と称し、本尊には阿弥陀如来をお祀りしています。

この寺院は、戦国時代における重要な歴史的舞台となった場所としても知られています。具体的には、天文22年（1553年）に尾張国中島郡冨田村（現在の愛知県一宮市の一部）にあった頃、当時の日本を代表する戦国大名である織田信長と斎藤道三が歴史的な会見を行った場所として、特にその名を歴史に残しています。

由緒と歴史

聖徳寺の起源は、鎌倉時代後期、寛喜年間（1229年から1332年）に遡ります。閑善（かんぜん）を開山として、当初は尾張国中島郡大浦村（現在の岐阜県羽島市）の地に創建されました。山号である七宝山は、開山の閑善が浄土真宗の宗祖である親鸞聖人より七種類の貴重な宝物を賜ったことに由来すると伝えられています。

創建以来、聖徳寺はその所在地を度々変遷させてきました。初期の大浦村から、同じ中島郡内の冨田村（現在の愛知県一宮市）へと移り、その後は清洲など各地を転々としました。こうした移転の歴史を経て、寛永年間（1624年から1644年）には、当時発展しつつあった尾張の中心地である現在の愛知県名古屋市中区錦三丁目に移転し、長くこの地に根を下ろしました。

名古屋市中区での長い期間を経て、平成5年（1993年）には、現在の愛知県名古屋市天白区八事山の地に移転されました。このように、聖徳寺は鎌倉時代の創建から現代に至るまで、約800年の長きにわたり、幾度かの移転を経験しながらその法灯を継承してきました。

織田信長と斎藤道三の会見

聖徳寺の歴史の中でも、特に著名な出来事として挙げられるのが、天文22年（1553年）に行われた織田信長と斎藤道三の対面です。この会見は、当時聖徳寺が所在していた尾張国中島郡冨田村で行われました。

この会見は、信長の舅（しゅうと）にあたる斎藤道三が、娘婿である信長の器量を見極めるために設定されたとされており、戦国時代の権力者たちが一堂に会した歴史的な瞬間として、多くの記録に残されています。後の天下統一へと繋がる信長の生涯において、この道三との会見は重要な契機の一つであったと考えられており、会見の舞台となった聖徳寺は、その出来事を通じて歴史に深く刻まれることとなりました。

現在、聖徳寺は名古屋市天白区にありますが、かつて織田信長と斎藤道三が向かい合った場所として、その旧地である一宮市冨田にも聖徳寺ゆかりの場所が残されています。聖徳寺は、単なる宗教施設としてだけでなく、日本の歴史、特に戦国時代のドラマを今に伝える貴重な存在と言えます。

所在地

聖徳寺は現在、愛知県名古屋市天白区八事山552に位置しています。

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